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今日の勿来高校
お祓い箱・・・
3月2日(火)、今日は明日から始まる入試の準備で、午前中で放課となります。昨日3年生が巣立ちました。今日からは2年生が最高学年となります。どのような気持ちでしょうか。
ところで先週末、凪良ゆうさんの『わたしの美しい庭』を読みました。舞台は賃貸マンションの屋上にある「縁切り神社」です。
その一場面に縁を切りたいことを書いた形代を「お祓い箱」に入れるというシーンが何度か出てきました。ふと不思議に思いました、「お払い箱」と何か関係があるのかな?と。
前者は人の願いを託す神聖な箱、後者は不要品をすてることという意味で日常生活に使われます。いうなれば正反対の意味です。
そこで辞書を引くと「もと、伊勢神宮が毎年地方の檀那に配ったお祓いのお札を入れたお祓い箱のこと。毎年新しいお札が来て古いお札は不用となることから『お祓い』を『お払い』にかけた洒落」(小学館『現代国語例解辞典』)とありました。
3年生はもういません。確かにこの学校の最高学年は現2年生となりました。新しい祈りの幕開けです。そして卒業生は新たなる願いを「お祓い箱」に入れることでしょう。叶いますように・・・。
うちの図書館は、最新刊をほとんど待つことなく読むことができる最高の場所です。
道・・・
3月1日(月)、令和2年度第68回福島県立勿来高等学校卒業証書授与式です。卒業生49名、創立以来合計12,719名が勿来高校を巣立ちました。
担任の先生を先頭に入場する一人ひとりの姿から、これまでのいろいろな表情がよみがえります。決して平坦な道のりではありませんでしたね。
でも君たちは諦めることなく、先の見えない、しかもでこぼこで、舗装されていない場所を立派に歩んできました。
道とは本来その様なものかもしれません。通常、目的地につながる経路を道とよびます。見通しがよくて整備されています。
標識があって、もめ事が起きないようにしてくれます。案内板もあるから迷うこともありません。
ところが人間は一人ひとり目的地が違います。だから他人が道を作ることができません。誰も整備や案内をしてくれません。自分で切り開くしかないようです。
振り返ってみてください。およそ18年間、君たちが創り上げた「自分だけの道」ができているはずです。立派でしたよ。
卒業おめでとう。君たちに出会えて幸せでした。
らしさ・・・
2月26日(金)、卒業式予行、表彰式、同窓会入会式と3年生が久しぶりに登校しました。
なかにはほんのりと色の変わった髪の毛、うっすらと肌に色のついた顔など、それなりに自分たちの生活を謳歌した片鱗が見える子もいました。
毎日この子たちと接していました。みんなかわいい子どもたち。それぞれに魅力的な素顔を見せてくれました。だからドレスアップの仕方も人それぞれでしょう。
大いに自分らしさを創り上げていって欲しいと思います。
ただ、卒業式だけは「勿来高校生らしさ」を、保護者ら来賓、そして何より自分たち自身に表現する場所です。
有名私立高校や国立大学附属高校なんて目じゃない、私たちらしさを見せつける場所です。
今日、予行練習で校歌が流れました。私はこの歌に誇りを持っています。君たちの歌声に涙を禁じ得ません。確かに普段はTRFを聴きます。
でも、ここ勿来高校にはこの歌がぴったりくるのです。
君たちは存在するだけで美しいことを忘れないでください。無理して他人と違う格好をしなくても、それぞれの美しさを私たちは分かっていますから・・・。
友だち・・・
2月25日(木)、明日は卒業式予行と表彰式が体育館で行われます。本日は1校時のみ授業、その後在校生が協力して大掃除と会場作成を行いました。
出会いと別れの季節です。いろいろな人との巡り会いから、たくさん友だちをつくっていってください。
出会いはじめ・・・相手を知りたい、自分を知ってもらいたいと歩み寄ります。「話が合うな」「いい人だな」と感じ合う人たちが友だちとなり、笑顔で生活を送り始めます。
徐々に打ち解けて互いのいろいろな姿に触れていきます。またこれまで少しよそ行きだった自分の心持ちも開放され、感じ方や受け止め方も変わってきます。不思議なものです。
相手も自分も出会った頃と何も変わっていないのに「話が合わない」「何てやつだ」と思うことがあるでしょう。
でもね、それを乗り越えながら積み上げていくのが友情なのではないかと思います。
飾り気のない人同士、良いも悪いも、好きも嫌いも許し合い、理解しながら、互いにホッとできる間柄になる・・・。
怖がらないでください。諦めないでください。友だちから嫌なことを言われたら、自分の思いを伝えましょう。
そして乗り越えていってください。少しの勇気が、多くの友という宝物をもたらしてくれるはずです。
住処・・・
2月24日(水)、昨日は天皇誕生日でお休みでした。私はアパートで1日を過ごしました。家は会津にあります。実家は埼玉です。
転勤でこちらにアパートを借りています。いわば仕事のための住処です。
ところで天皇は、今年61歳になられるそうです。
お住まいは赤坂御所で、およそ3㎞離れた皇居(旧江戸城)へ、建物の建設や整備などが済むまで通っておられるということです。
天皇の住まいといって学校で習うのが「内裏」と「京都御所」です。
前者は平安京北部中央に造営された日常の居住空間で、周囲には官庁街が広がり大内裏を構成します。応天門、朱雀門から南に向かう直線道路が朱雀大路、現在の千本通りです。
後者は、平安時代後半から天皇が里内裏とよばれる母方の家に居住するようになり、南北朝時代頃に土御門御所として定着したものです。
内裏よりも東へ離れた場所で、幕末、小御所会議が行われたのもこちらとなります。
首相官邸に内閣総理大臣が、ホワイトハウスに大統領がいます。でもそれは、その公的役割を果たすべく用意された住処です。
私はプライベートも省みず、そこで生活する方々の情熱は人並みではないとあらためて感じました。リーダーの方々には頭が下がる思いです。
私たち勿来高校生の住処も時代とともに変化していきます。でもそこに集う子どもたちの未来にたいする情熱が宿ります。