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今日の勿来高校
必然と運命と・・・
9月28日(月)、久しぶりに太陽が顔を出しました。爽やかな秋晴れです。今日から2学期中間考査一週間前です。計画的に自らの行動を律してください。
運命、偶然、縁と恋の歌には二人の出会いをこう表現する曲をよく耳にします。しかし私は以前から違和感を抱いていました。
ーーそれは私が大学時代に教えられた「全ての出来事は必然的に起きている」という学問への姿勢です。
しかしここには「心」がありません。私が歴史を考える時、事実のみを積み上げ、極力個人の感情を排除します。
例えば長屋王の変を扱うとき、長屋王や吉備内親王の気持ちを取り上げることはありません。
人は自分とその人物に距離があればあるほど、物事を客観視します。教科書や新聞に死者数や感染者数が載せられます。100より1の方がよいと捉えます。
しかし何人であろうが、全ての人々に宝物のような人生があるのです。
長屋王と内親王は運命の出会いを感じ、愛を育んだのかも知れません。私たちは生身の人間です。
必然を「運命」と感じることで、生きるためのパワーがわいてきます。
1人の人生が豊になれば、歴史も華やかになります。相手と私、一人ひとりの心を大切にしましょう。
授業前の風景。読書や歓談、気持ちが和む一時です。
1年生国語総合では、重松清さんの『バスに乗って』を題材に、少年の心の動きに注目しました。
『正解』は歩み寄りから・・・
9月25日(金)、台風の影響で終日激しい雨が吹き付けるなか、3年生は外部の講師を招いて、面接練習に励みました。
面接の正しい受け答えはどのようにすべきかと考えるあまり、緊張したり、予期せぬ質問に戸惑ったりで、上手く自分を表現できずに、もどかしい思いをもった子もいたでしょう。
ところで、先日初めて韓国の方の歌を聴きました。BoAさんの『VALENTI』という曲です。何となくリズムや歌声に感性が刺激されて、じっくりと聞いてしまいました。
運命的な恋との出会い、これがそうではないというならば、世界中に愛なんて存在しない、この夢をかなえるために戦う
リズムと彼女の歌声、そして歌詞に込められたメッセージに、パワーをもらいました。おそらく韓国語を母国語とする彼女が、
日本語でしかも韓国文化に特別親しみのなかった私の心に、感動を与えてくれました。
現在、東アジアの国々と、外交上必ずしも良好な関係を保つことができていないという報道があります。
ところが文化に目を移せば、韓国の方がわざわざ日本語で私たちに歌をとどけてくれます。また本校でも韓国のポップスやアイドルが好きな生徒がたくさんいます。
正解を求め続ける姿勢は尊いものです。そこにはさまざまなアプローチの方法があるのではないでしょうか。
まずは自分や隣人の気持ちを大切にすること。
そこから、少しずつ「正解」が見えてくるのではないでしょうか。
気持ち・・・
9月24日(木)、本日は台風12号の影響で、45分授業を3校時まで行い、12時前に下校となりました。
急な変更にもかかわらず、新常磐交通さんにバスを都合していただきました。みなさんのご厚意に感謝します。
ところで先日、連休中に街中を歩いていると、信号待ちをしている車にふと目がいきました。東京方面のナンバーです。ところがその右斜め上にシールが貼ってあります。「○○ナンバーですが、○○県在住者です」と。
夏、お盆で帰省中の方の自宅に、張り紙が貼られていたという報道がありました。新型コロナウィルス感染拡大を防止するために、移動の自粛が求められている時期でした。
おそらくその後、同様の混乱を避けようと、開発されたシールだと思われます。ネット上には同じような商品が、500円前後で販売されていました。
ところで今日は1年生「地学基礎」の授業に参加しました。太陽の寿命は100億、現在46億がたち、あと50数億年で膨張し始めるそうです。いずれ地球はそれに飲み込まれる。星にも永遠はありません。
さて、授業中、落とした消しゴムを隣の子が拾ってあげる姿、後ろの席に座る子にプリントを手渡す姿がありました。
言葉がなくとも通じ合う心と行動――。同じ惑星に暮らす人同士、何らかの方法で気持ちを通じ合わせていきたいですね。
歌に込められたsoul
9月23日(水)、4連休明けで眠そうな顔の子も見られます。今日は1年生の「音楽Ⅰ」の授業を見学しました。井上陽水さんの『少年時代』が題材です。
軽く体をほぐした後、発声練習、そして「歌」の練習です。しかし残念ながら大声で歌うことができません。そこでマスクをつけたまま、ハミングで音程を探ります。
以前は歌詞にこめられた思いを、感情豊に表現できた子もいたのではないでしょうか。それでもみんな音符を頼りに、一生懸命挑みました。
その後、歌詞がどのような情景を表現しようとしているのかを考えます。「風あざみ」「宵かがり」「夢花火」これらは陽水さんの造語だそうです。
これらの言葉から、頭の中に映像を浮かべている様子でした。
先日、何となく昔聞いたSPEEDの『BODY & SOUL』を聞き返してみました。
いい日も悪い日もある、恋に二の足を踏むこともある、成長するにつれ傷つくことも増えてくる、
それでも「同じstepの毎日じゃ、生きてることさえ忘れちゃう、それじゃ張りがない』だから勇気を出そう!
時に音楽は人生を変えてくれます。歌のsoulに耳を傾けてみてはいかがでしょう。
準備体操で体をほぐし、声を出す準備をします。
無駄と教養と・・・
9月18日(金)、3年生「国語表現」の授業に参加しました。先日まで、就職や進学試験のために、面接練習に奮闘している姿が印象的でした。
自分を見つめ直すこと、そして言葉で表現すること、思った以上に大変な作業ですが、何度も練習しましょうね。
今回は、就職するときに課されることもある筆記試験の練習です。漢字の読み方や意味、類似語や反対語など、いろいろなことが試されました。
例えば「陶冶」「婉曲」「嚆矢」「忌憚」、読みと意味とが出題されました。即答できますか?
大人でも意味を正確に説明できる人は少ないかもしれません。ましてや書き取ることができる人がどれほどいるか。
そもそも日常会話へ使う機会は少ない言葉です。しかも他の言葉、もっと簡単で通じやすい言葉があります。ではなぜ知っていた方がよいのでしょうか。
私たちの周りにはたくさんの「無駄」があふれています。なくても生きていくには困らないものたち。
靴の色が赤くても黒くても履ければいいはずです。イモは蒸かせば食べられます。カレーに入れる必要はありません。
でも、好きな色の靴を履くと気分が浮き立ちます。カレーに入ったジャガイモは、フライドポテトとはまた違った趣を示します。
生きていく中で心を豊かにしてくれるものーー。私はそれが「教養」だと思います。試しにたくさん勉強してみてください。何となく胸が一杯になります。
教養は私たちの心と生活に潤いを与えてくれます。
知、徳、体・・・
9月15日(火)、今日は2年生「保健」の授業に参加しました。テーマは「エイジングと健康」です。「老い」は体のさまざまな機能を衰えさせます。
認知症や骨粗鬆症もその1つです。もちろん老いだけが原因ではありませんが、人生100年時代には、誰もが直面する可能性があります。
時代を感じさせます。高齢社会に関する授業は、家庭科や公民科などでも展開されています。
それぞれの教科がもつ視点・論点から子どもたちが「高齢社会」でいかに充実した生活を送ることができるかを考えさせる内容です。
織田信長が舞ったとされる『敦盛』では「人間50年・・・」と謳われます。昭和の半ば頃までは、定年が55歳でした。それが高齢化時代を迎え、60歳に引き上げられます。最近では65歳まで延長することが求められています。
保健の授業で先生は生徒たちへ伝えます。「老いは機能が衰える反面、経験知が豊富になる」と。
体を健康に保ち、知を豊富にする。それらが積み重なり「徳」が備わっていく。
「知・徳・体」ともに大切に育て、豊かな人生を歩みたいですね。
骨粗鬆症にならないためにどうような生活をすればよいのか。みんなで話し合いました。「運動」「カルシウムやビタミンB」など、予防に努める要素はいくつもありそうです。
君たちが未来を変える・・・
9月14日(月)、昨日はいわき市議会選挙の投票日でした。またこの日は自由民主党の総裁選挙も行われました。
選挙は民主政治にとって欠くことのできない制度です。
ところで3年生「世界史A」の授業では、本格的にローマ帝国の歴史に踏み込みます。
貴族中心の元老院が執政官を代表に、法律をつくり、国の舵取りをします。リーダーは2名、任期は1年と限られ、独裁者の出現を防ぎます。
さらに平民たちを中心に平民会が組織され、護民官が彼らの意見を代表し、彼らが議決した法律が、元老院の承認を受けずに施行されることもありました。
いつ接しても、2000年以上前に、このような仕組みを作り上げていたことに驚かされます。王政を打破し、貴族による寡頭制から市民の意見をくみ取ることのできる制度ーー。
現在私たちが当然のこととして享受する民主政治の一端が垣間見られます。
このローマの歴史は、教科書ではわずかに数ページを割くのみです。ところが共和政の整備には200年近くの時間がかかっています。その間には、多くの人が血を流す出来事もありました。
遠い未来に生きるのは私たちではありません。私たちにできることは、その未来を創り出すことだけです。
現在(いま)を大切にすることが、未来の人々への優しさです。
認め合う心・・・
9月11日(金)、昨日紹介したスクールサポートスタッフさんから、紹介された本を読み始めました。
ブレイディみかこ著『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(2019 新潮社)です。
日本人女性の筆者が、アイルランド人男性と結婚し、ロンドン南郊の町で息子さんを育てるなか、レイシズムなどの問題に直面した記録が綴られた作品です。
私が人種主義と聞いて思い描くのは、肌の色によって人を差別することでした。確かに白人による有色人種への差別をもとにした事件は、ニュースでも頻繁に目にします。
この背景には裕福な白人と、貧しい有色人種という構造があると考えられてきました。ところが、現実には、中産階級の有色人種と労働者階級の白人との対立や、移民との関係など問題は複雑なようです。
私はこのようなことを実感できる生活環境にありません。しかしこのような問題を考えるとき思うことは、私の心の中に差別を生み出す根っこみたいなものがあるということ。
人を羨ましく思うことがあります。それがねたみに変わります。時にはそれがうらみに転換され、相手の排斥を望むようになる。
勿来高校は「共生社会」に生きる人材育成を目指します。認め合う心。日々自分を戒めながら生活していこうと思います。
共に学ぼう 未来に向かって!
支えがあるから・・・
9月10日(木)、2時間目、今週月曜日から学校で私たちと一緒に生活していただいているスクールサポートスタッフさんが、生物室の消毒をされていました。
この方は例えば教材や教室の準備、書類の整理や印刷、パソコンへの入力や消毒作業など、先生方が学校で行ういろいろな活動を支えてくれます。
生物室の消毒作業の前は、進路室で書類の整理、この後は学校全体の消毒と椅子に腰を落ち着ける間もありません。
先生方に頼まれたことや、みんなが授業や進路活動をする上で必要な事柄を、少しでも早く手渡したい、整備したい、そのような気遣いが伝わってきます。
朝起きてご飯を食べる。靴を履いて学校に向かう。教室に入って椅子に座る。弁当を食べて、“うとうと”する。当たり前のような時間ですが、布団もご飯も、教室の鍵も校内の消毒も、誰かが用意してくれています。
普段はあまり感じることの少ない「支え」が私たちの周りにはたくさんあります。同じように、君たち自身も知らないうちに誰かの「支え」になっているはずですよ。
生物室の消毒作業をされるサポートスタッフさん。これからもよろしくお願いします。
現代社会の授業で、先生をサポートする先生が個別に子どもたちを指導します。勿来高校ではほとんどの授業でチームティーチングが行われています。
地味な建設者・・・
9月9日(水)、今日は3年生の「世界史A」の授業に参加しました。実はこの授業、月曜日の5時間目と水曜日の1時間目、週2回行われます。
曜日のせいか、時間のせいか、はたまた講師の力量不足か・・・、舟をこぐ生徒を減らすべく、授業が進められました。
この日はギリシャ・ローマ時代をテーマに、出来事の整理や文化の特徴などが説明されました。
突然ですが、みなさんはオクタウィアヌスを知っていますか?筆者の尊敬する人物です。
古代ローマ帝国初代元首となりアウグストゥスの称号を受けた、ローマ帝政の礎を築いた人物なのですが、知名度は低いように思います。
また歴史上の英傑にくらべるとその逸話も地味なのです。
彼の養父、カエサルはガリアを平定し、宿敵ポンペイウスを倒し、ローマの内乱を平定、エジプトのクレオパトラとも結んだ稀代の英雄です。
彼の「賽は投げられた」「来た、見た、勝った」「ブルートゥスお前もか」はあまりにも有名な言葉です。
一方で、養子のオクタウィアヌスは、猛々しい武勇伝は伝わりません。
楽しみを知ることなく、毎日遅くまで仕事に勤しんだといいます。――ただ1つ「煉瓦の街を受けついで大理石の街を残した」と。
歴史が前の時代を破壊して、新しい時代を築き上げる営みだと思います。あまり脚光を浴びることのない地味な建設者こそが、国の安定を支えているのではないでしょうか。
この日、3年生ファッションと造形の授業では、くぼた校がマルトさんなどで販売する製品づくりのお手伝いをしました。
不要になったエアバッグが便利なエコバッグへと生まれ変わります。