学校長あいさつ

 本校は、源義家の和歌「吹く風をなこその関と思へども道もせにちる山桜かな」(千載和歌集)等にも詠まれた歌枕「勿来の関」跡の近くに立地し、令和6年度で創立77年目となります。全校生徒104名の小規模校であることを生かし、一人一人に寄り添ったきめ細かな教育を行っています。また、校舎を共にして10年目を迎える福島県立いわき支援学校くぼた校との交流の中で、高校と特別支援学校高等部が学習や諸行事において「共に学び、共に生きる」活動を実践しております。

 生徒会活動においては、JR勿来駅周辺の環境整備や勿来海岸の清掃活動、地域安全協力隊としての活動など、地域に根ざしたボランティア活動を積極的に行っており、地域と共に歩む学校です。(令和4年度 ’うつくしまふくしま’環境顕彰受賞)

 本校が育成を目指す生徒像は次の3つです。

1 現代社会を生き抜くための知識・技能・社会性を備えた人

2 社会人に必要なコミュニケーションスキルを備えた人

3 思いやりの心を持ち、多様性を尊重できる共生社会の担い手

 それを達成するために、校是「知性と自律」の精神のもと、教育目標として次の三点を掲げています。

1 基礎学力を確実に定着させ、知性と教養を備えた人間を育成する。

2 基本的な生活習慣と自律性を身につけさせ、正しい判断力を備えた人間を育成する。

3 心身ともに健康で勤労を愛し、責任感と実行力を備えた人間を育成する。

 令和5年度には、福祉コースの導入、個別支援サポート事業や演劇によるコミュニケーション教育プログラムの実施、これまで継続してきた個別支援教育の充実や共生プログラムの実施等をとおして、普通科の特色化をさらに推進してまいります。

 教職員一丸となって、子供たちが主役となるようなきめ細かな教育実践に努めてまいりますので、保護者の皆さま、地域の皆さまにおかれましては、今後とも、本校の教育活動に一層のご理解とご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

福島県立勿来高等学校 櫻田 渉

(本校の概略)

 本校は、1948(昭和23)年いわき市南部、勿来地区の若者達に夢と希望を与えるため、勤労青少年を対象とした定時制高磐城農業高校勿来分校として開校しました。

 その後、1953(昭和28)年には福島県立勿来高等学校として独立しました。普通科・商業科が相次いで設置されましたが、時代の大きな変化に対応して、定時制課程や商業科は募集を停止し、2007(平成19)年からは全日制普通科のみの高等学校として、現在に至っております。

 これまでに12,800有余名の有為な人材を社会に輩出しております。