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2020年10月の記事一覧
連なり・・・
10月28日(水)、昨日の朝、昇降口に立っていると、扉を消毒する人影が目に入りました。
そういえば5月雨の降りしきる朝、同じく昇降口にあるいくつものプランターに、傘を差しながら、泥まみれになって花の苗を植える姿が目に映りました。夏の盛り、みなさんを出迎えた花はここから始まりました。
実は昨年の夏、休日に用事があって学校に行きました。校舎の周りを歩いていると、東門前の花壇を整備している人がいました。
「どうしたんですか?」「時間のあるときにきれいにしようと思って!」と笑顔で答えてくれました。
くぼた校の先生です。みなさんは勿来高校に通っています。昇降口の花に迎えられ、きれいになった扉に手をかける。眠い目をこすりサンダルをはき、教室について1日の準備をする。
6時間目が終われば、開放感に満たされて、昇降口の植物に別れを告げる。
私たちは1人で生活しているのではありません。普段意識しないところで、誰かにお世話になっています。実は君たちの何気ない普段の言動が、どこかで誰かに影響を与えていることでしょう。
みんなの小さな誠意がつながり合って、社会を成り立たせています。「私なんて」と絶対に思わないで下さい。あなたこそ人生の主役です。
1年生「家庭総合」の授業で、妊婦さんの体験をしました。ベッドから起きるだけでも、どれほど大変なことなのか、共感できましたか?
ほほえみ・・・
10月27日(火)、朝2人の生徒が職員室に遅刻カードを取りに来ました。1人は家を出るのが遅かったから。もう1人は自転車の不具合です。
そうならないように、少し早く準備をしようといつも言っているのにと、苦笑い。
その後、SHRをのぞきます。小論文の課題が出されているようで、完成させようと四苦八苦している様子を目にしました。
作文ではなく、結論を求められる課題。おそらくはじめて挑戦する彼らに、微笑み。
2時間目、1年生「体育」の授業を見学しました。反復横跳びです。スポーツテストの一環でしょうか。そういえば今日の朝、出会った生徒が筋肉痛で足が痛いと言っていました。
理由を聞くと昨日の授業で50メートル走を走ったからと。笑うとお腹が痛くなるそうです。50メートル走でそこまで筋肉痛になるのだろうかと、微苦笑。
4時間目「情報」の授業、Excelの基礎を学びました。「=3+5」「=2×3」などの計算式をセルに打ち込みます。初めてだから「8」「6」とそのまま打ち込む子どもたち。
そのうち「AVERAGE」「SAM」「IF」など、もっと複雑な数式を、社会に出ると使いこなすようになるだろうと、ホッコリ。
君たちの小さな小さな日々の営みと成長が私たちに「笑顔」を与えてくれます。それがパワーの源です。
Make A B・・・
10月26日(月)、今日は2年生コミュニケーション英語Ⅱの授業に参加しました。舞台はタイ、人と象が共存すする国です。
地雷で片足を失った象の命を病院の懸命な努力で救うというもの。この日はこの文章に含まれる「受身」の英文表現を学びました(三省堂『VISTAⅠ』)。
「Was Motala injured by humans?」「Yes,but she was saved by them,too.」子どもたちは訳します。
『彼女(象)は人間によって傷つけられたのですが、また同時に人間によって救われたのです』と。このことについて先生は生徒に意見を求めます。そこである生徒はこう答えます。
「地雷を埋めて象にけがをさせた人間もまた、戦争に参加して自分の国を守ろうとしました。だから必ずしも悪だとはいえない」と。先生は応じます。
「物事は見る立場によって評価が変わります。戦争をせざるを得ない状況こそ、問題にしなければならない」と。
その後、本文はこう続きます。「We can make the world a better place for us and for the elephants.」と。
次の授業では、どのようにすれば、象にも人間にも平和な世界を構築することができるのか、生徒たちに考えてもらうそうです。
私たちの幸せは平和な社会があってこそ実現できます。できることから始めていきたいですね。
挑戦・・・
10月23日(金)、生憎の雨です。この日、1年生「音楽Ⅰ」の授業を見学しようと教室に入りました。その瞬間、机の上に据えられたお箏が目に飛び込んできました。
今日は前回に引き続き、楽器の基本的な知識を学び、実際に演奏してみるという内容でした。
胴の上に立てて弦を支え、置く場所によって音を調節する道具を「箏柱(ことじ)」といい、形によって「並柱」「巾柱」「小柱」と呼ぶそうです。
また、「生田流」と「山田流」と2つの流派があり、前者は角爪を用いるため斜めに、後者は丸爪のため正面に構える。
さらに前者は現代曲も多く、音色を重視するのに対して、後者は「歌もの」とよばれ、歌曲が多いそうです。
説明の後、子どもたちが実際に演奏し始めます。身近な音階である「ドレミファ」ではなく「一二三・・・八九十斗為巾」と書かれた楽譜を見ながら楽しそうに音に親しんでいました。
もし私だったら、きっとひとつひとつの音と手の位置を確認しながら、恐る恐る箏に触れていたでしょう。
時間の最後にみんなで一緒に奏でました。きちんとした心地よい調子が耳を打ちます。私は反省しました。
「失敗して恥をかきたくない」という気持ちが、自分の可能性を閉ざしているのだなと。失敗を恐れず、何事にも挑戦しようと思わせてくれました。
知ることからはじめよう・・・
10月22日(木)、今日は職員会議のため45分の短縮授業です。木曜日ともなり、また昨日はいろいろな行事がありました。疲れている人もいるでしょう。そんな時こそ息抜きをしてください。
私の息抜きは映画を観ることです。古い作品をテレビの再放送やDVDで楽しんでいます。先日1997年公開の『007トゥモロー・ネバー・ダイ』を鑑賞しました。
メディア王が、アメリカと中国を武力衝突させるため、画策します。その企みをイギリスと中国の諜報員が協力して阻止します。
楽しみながらもふと気づいたことがあります。それまでこのシリーズでは、英米と旧ソ連の対立が背景として描かれていました。ところがこの作品では対立相手がソ連ではなく中国です。そこで改めて歴史を振り返りました。
1989年ベルリンの壁崩壊、同年米ソ首脳によるマルタ会談が開催されます。
1991年ソ連が崩壊します。そして中国は2001年にWTOに加盟、2008年に北京オリンピックが開催されます。
そして2010年にはアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となるのです。
『007トゥモロー・ネバー・ダイ』ではMI6長官のMが戦争にならないように、ボンドに指示を与えます。両国の誤解を解くのが任務です。
私たちは知らない相手に警戒心を抱きます。イメージばかりが膨らみ、自分の行動を制約してしまう場合があります。
私は思います。互いを「知ること」が、誤解から始まるいざこざを回避できる方法だと。
体育大会について話し合う子どもたち。優勝目指して頑張ってください!
目は口ほどに・・・
10月21日(水)、今日は行事が盛りだくさんでした。
3年生の選択授業「生活と福祉」では、いわき市の方が来られて、認知症サポーター講座が行われました。高齢社会に向けて、誰もが得ておきたい知識です。
6校時には全学年で文化祭に関するLHRが行われました。今年はクラスTシャツとクラス旗の作成、体育大会が主な内容です。デザインやメンバーを決めるため、活発な意見が飛び交ったことでしょう。
そして放課後は、毎週水曜日、ボランティア活動として行っている駅前清掃です。通称「関の子ボランティア」と呼ばれ、地域の方々と一緒に汗を流します。それぞれの場面で子どもたちの目が輝きます。
ところで先日、とある商店で卒業生に会いました。入口を入るとすぐのレジスターで働いていました。卒業して半年以上が経ちます。
私はたまたまその日ばっさりと髪を切りました。卒業生もまた在学中とは違う髪型でした。さらに互いに鼻の上までがマスクで覆われています。服装も互いに普段着です。
ところが私が入口を潜り目が合った瞬間、頭を下げ合いました。以前と同じなのは「目」だけです。
昔から「目は口ほどにものを言う」といわれます。その人が楽しいのか、悲しいのか、不安なのか、自信があるのか、目を見ると伝わることがあります。
心の有り様が目に表れることは確かです。だからこそ、無理に表情をつくり、きれいに着飾る前に心を磨いてくださいね。
左右の手の動きを別々に行うことで、脳が刺激され認知症に効果ある体操。
「人間の杖」になることのできる心を持ちましょう!
人生の演出・・・
10月20日(火)、今日は2年生「保健」の授業に参加しました。
生涯にわたって健康で豊かな生活を送ることができるように、人生の各ステージで解決しておくべき課題をどのように乗り越えていくのか、
それを子どもたちそれぞれの問題に置き換えて考えさせる内容です。
まず、「健康的な生活習慣を身につける」「心理的不安に対応する」「自分の行動をコントロールする」「親から精神的に自立する」「性を理解する」という5つの課題から、自分が直面している事柄を見つけます。
次になぜそれにつまずいているのかを考えます。「食事の時間が不規則だから」「夜遅くまでスマホを見ているから」「ネガティブ思考だから」など生徒によって様々です。
最後に「早寝早起きをする」「スマホをいじる時間を決める」「好きなことをして発散する」とそれぞれどのように解決するかを模索します。
そして他の子たちに自分の課題と解決法を伝え、アドバイスをもらいました。自分と同じ悩みを持っていることを共感できたり、他の視点から解決法を見つけたりと貴重な時間だったのではないでしょうか。
先生は言います。「人間生きているだけでもうけものです。ただ少しでも充実した人生を送ることができる方法があるのならそれにこしたことはない。自分の生活を振り返ってみましょう」と。
人生の主役はあなた方自身です。自分で演出していきましょう。
教室から見える木がすっかり色づいてきました。秋を演出していますね。
珠玉の名言・・・
10月19日(月)、今日は3年生の「コミュニケーション英語」の授業を見学しました。先生は毎回授業の初めに、元気を与えてくれる英語の格言を紹介してくれます。
今回はラテン語由来の「( )is the best teacher.」です。子どもたちはどのような言葉を想像したでしょうか。
家族、笑顔、明るさ、優しさ、信頼、感動、行動、友達、情熱、マンガ、ロマン、God、勇気、公平、失敗、Parents、出会い、これら全てがこのクラスの子どもたちが答えた言葉です。
彼らは、時々授業中に寝ます。提出物を忘れます。校則違反をします。礼儀を失います。
でも「大切なものは何か」を心の中ではきちんと育んでいます。大人でも想像できないような珠玉の名言を。
後は行動に移すだけです。それが大人になるということだと思います。心の成長は学歴や年齢では測ることができません。
気力・・・
10月16日(金)、本日から就職試験が始まりました。この日はおよそ20名の3年生が挑戦します。
1年生は、進路ガイダンスです。子どもたちが興味のある分野について、専門家から話しを聞く行事です。
彼らもまた2年後には、本番に臨むことになるでしょう。今からしっかりと自分のライフデザインを描いてくださいね。
ところで、なぜ働くのか。まずは「食べるため」でしょう。労働の対価として、生産物やサラリーを得て、私たちは生きる糧を手に入れることができます。
次に「生きがいややりがい」。例えば医者になって多くの人の命を助けたいという志をもった人です。
私はどちらも働くことの理由としてなり立っていると思うのです。私たちは生物です。食べなければ生きていくことができません。
同時に理性をもった人間です。つまり充実感や達成感などもまた、心のエネルギーとなります。
これは、生きていこうとする活力になります。つまり職は食と心のエネルギーそして気力をもたらしてくれます。
必ずしも望んだ進路に進むことができるとは限りません。でも、働くことはできるはずです。そうすれば気力がでます。
気力は人生を変えます。どのような仕事にも真摯に向き合ってください。
必ず気力つまり生きる喜びを味わうことができます。この気持ちさえあれば、人生は変えられます。
目印・・・
10月15日(木)、急に肌寒くなりました。予想最高気温18℃、秋が深まりつつあります。
今日は2年生「情報処理」の授業を見学しました。本校では子どもたちが資格取得試験に挑戦する機会をいくつか設けています。
昨年度の情報処理検定試験の実績は、文書デザイン1級~4級に4名、情報処理検定(表計算)1級~4級にのべ50名でした。
どちらも1級に合格した生徒もおり、努力の成果が見られます。他にも英語、数学、漢字などいろいろな検定受験の機会があります。
「将来のため」「好きだから」「興味本位で」と挑戦しようとする動機は様々でしょう。
私自身検定を受験したことはありません。ただ、体を動かすことが好きだったため、柔道や弓道、空手道などの昇段試験には参加しました。
また、歴史が大好きだったので、大学で日本史を研究しました。こちらは卒業時に学士号が得られるだけですから、資格と言うほどでもありませんが、どれも一生懸命頑張りました。
もちろん自分より強い人、学識のある人はたくさんいます。ただ、自分が活動する上での目印になりました。
私は強い人間ではありません。好きだから鍛錬し、探究し、研鑽します。でも時に嫌気がさしてきます。なぜ自分はこんなに苦労をしなければならないのかと。
その様な生活の中で、目に見える成果があると励みになります。80点や2段をとることができたという目印が、次のステップにつながりをつけてくれます。
ぜひいろいろなことに挑戦してみてください。そのバイタリティーが日々の活力を生み出してくれます。