カテゴリ:学校紹介

絆・・・

11月4日(水)、各クラスで赤い羽根募金の活動が始まりました。

集まったお金は、お年寄りや障がいをもつ方々、災害被災者などのために活動するボランティア団体への助成に使われるそうです(赤い羽根共同募金ホームページより)。

 

本校にも東日本大震災による影響から、県内他地域や関東などへと移動を余儀なくされた子どもたちがいます。

気候・風土の異なる土地、知らない人ばかりの学校、不安と緊張の連続だったでしょう。

ところで震災では警察官、自衛官、消防官、役場の職員や消防団員など自分を犠牲にしてまで、救助や復旧に力を尽くして頂きました。

当時、小さかった子どもたちには頼もしい存在だったのではないでしょうか。

 

そのような経験をした子どもたちの中には「人のために働きたい」と考え、進路を模索する子もいます。

勿論、警察官や自衛官を目指す場合もありますが、緊急時に食物の調達が困難だったことから食品関係の会社を目指す子もいます。

避難生活で文化が大切だと感じ、芸術系の専門学校を考える子もいます。

 

私が軽々しく震災について語ることははばかれます。いまだに苦しんでいる方々がたくさんおられるからです。

ただこのような子どもたちの気持ちを間近に見ると、「絆」の意義をあらためて実感させられます。

 

陸上自衛官候補生の合格証書をいただきました。誇らしい姿です。

選挙権の重み・・・

10月30日(金)、今月最後の授業日です。2年生「日本史B」では大正時代の社会運動が取り上げられていました。

資本主義の黎明期、さまざまな矛盾が噴出した時期でした。「普通選挙」「労働組合」「社会主義」「部落解放」「女性解放」と市民の声が高まります。

ところで、本校では毎週「視点・論点」とよばれる課題を朝自習の時間に行います。担当の先生が社会的な問題について話題を提供し、子どもたちが意見を述べるというものです。

今週は選挙についてです。近年の投票率低下に歯止めをかけるべく、無投票者に罰則を科すという意見に対して、どのように考えるかというものでした。

 

私たちが近代社会で選挙権を獲得する道のりは平坦ではありませんでした。アメリカ独立戦争、フランス革命が必ず教科書で取り上げられるのは、選挙がいかに大切なものかを理解するためでしょう。

国政を変えるのにラ=ファイエット、ダントン、ミラボーらは血を流しました。しかし私たちは、投票によって「革命」を起こすことができるのです。

先生は投票しない人に対して罰則を設けることについて、子どもたちに問いました。すると多くが反対でした。理由は「考えることなく投票してしまうから」というもの。

17歳の彼らはきちんと考えています。来年、間違いなく有権者となり、投票することになるでしょう。昔の人々が何世紀もかけて築き上げてきた人権の重みを、歴史を学ぶことによって感じて下さいね。

 

本日の3年生「美術」の授業で、勿来の宿泊施設の塀に描くデザインを描きました。みなさんに投票してもらいましょう!

珠玉の名言・・・

10月19日(月)、今日は3年生の「コミュニケーション英語」の授業を見学しました。先生は毎回授業の初めに、元気を与えてくれる英語の格言を紹介してくれます。

今回はラテン語由来の「(  )is the best teacher.」です。子どもたちはどのような言葉を想像したでしょうか。

家族、笑顔、明るさ、優しさ、信頼、感動、行動、友達、情熱、マンガ、ロマン、God、勇気、公平、失敗、Parents、出会い、これら全てがこのクラスの子どもたちが答えた言葉です。

 

彼らは、時々授業中に寝ます。提出物を忘れます。校則違反をします。礼儀を失います。

でも「大切なものは何か」を心の中ではきちんと育んでいます。大人でも想像できないような珠玉の名言を。

後は行動に移すだけです。それが大人になるということだと思います。心の成長は学歴や年齢では測ることができません。

支えがあるから・・・

9月10日(木)、2時間目、今週月曜日から学校で私たちと一緒に生活していただいているスクールサポートスタッフさんが、生物室の消毒をされていました。

 

この方は例えば教材や教室の準備、書類の整理や印刷、パソコンへの入力や消毒作業など、先生方が学校で行ういろいろな活動を支えてくれます。

生物室の消毒作業の前は、進路室で書類の整理、この後は学校全体の消毒と椅子に腰を落ち着ける間もありません。

先生方に頼まれたことや、みんなが授業や進路活動をする上で必要な事柄を、少しでも早く手渡したい、整備したい、そのような気遣いが伝わってきます

朝起きてご飯を食べる。靴を履いて学校に向かう。教室に入って椅子に座る。弁当を食べて、“うとうと”する。当たり前のような時間ですが、布団もご飯も、教室の鍵も校内の消毒も、誰かが用意してくれています。

普段はあまり感じることの少ない「支え」が私たちの周りにはたくさんあります。同じように、君たち自身も知らないうちに誰かの「支え」になっているはずですよ。

 

生物室の消毒作業をされるサポートスタッフさん。これからもよろしくお願いします。

 

現代社会の授業で、先生をサポートする先生が個別に子どもたちを指導します。勿来高校ではほとんどの授業でチームティーチングが行われています。

いつでも、いつまでも・・・

8月21日(金)、昨日は体験入学が行われ、40名近くの中学生が、勿来高校に足を運んでくれました。夏休み中、しかも記録的な猛暑です。

家でゆったり過ごすこともできるだろうに、私たちの学校に来てくれたことを感謝しています。

 

本日は、3年生就職希望者へ今後どのような指導をしていくかの話し合いが行われました。

これから彼らは応募書類の準備、試験の勉強、作文練習、模擬面接と学校で過ごす時間が多くなることでしょう。

 

2年生の2学期は、修学旅行やインターンシップなど大きな行事が目白押しです。感染症拡大の影響で、計画通りに進められるかどうか、分かりません。

だからこそ、例年とは違った行動を求められることでしょう。学校からの連絡、話し合い、世の中の動きなどいろいろなことに注意を払いながら生活することが求められます。

 

1年生は1学期が短かったこともあり、やっと生活に慣れたところ、夏休みとなりました。それでも多くの子どもたちが夏休みにもかかわらず学校へきてくれました。

「家で勉強するより、学校で友達と」「理研部だから動植物の世話のために」など理由はそれぞれです。久しぶりに登校する君たちが2学期をスムーズに迎えられることを祈っています。

 

私たち勿来高校はいつでも、いつまでも君たちを待ち望んでいます。どうぞその笑顔をまた見せて下さいね。

 

音楽部の練習風景。

みんなを迎える玄関です。花壇のひまわりも君たちにほほえみかけているようです。

権利と義務と・・・

7月10日(金)、3年生を対象に職業人講話が開催されました。企業の採用担当者と、採用されて数年の若手社員の方々から、

企業の求める人材像や働いてみての感想など、働く場での生の声をお聞きすることができました。昨年度卒業した先輩も来校され、

立派な姿で話す様子を見て、3年生の皆さんも社会人になることへの期待と責任感の重さを実感したことでしょう。

7月11日(土)、体育館では女子バレー部サッカー部練習に汗を流していました。

バレー部ではこの日、女子部員1名を2人の先生がつきっきりで指導しました。少人数とはいえ、真剣な眼差しが胸を打ちます。

サッカー部は遠野高校との合同練習です。夏の大会では、連合チームとして参加するため、休日には互いの学校を行き来して、チーム力を高めます。

 

遠野の先生はおっしゃいます。「君たちには練習をする権利がある。しかし皆さんのおかげで練習できている。だから精一杯打ち込むことが君たちの義務だ。

私は監督をやらせていただく。だから君たちにサッカーを通じて技術はもちろん、人間として大切なことを伝えるのが義務だと思っている。」と。

 

働くことや勉強することは私たちの権利です。しかし同時に義務があることも忘れずに、生活してください。頼もしい人になりましょう。

定期考査2日目

7月7日(火)、1年生は国語総合、音楽Ⅰ、保健、2年生は生物基礎、自習、日本史B、3年生は国語表現、選択科目(教養数学・英語表現・発達と保育)、世界史Aに取り組みます。

 

ところで今日は七夕です。辞書には「五節句の1つ。陰暦7月7日に織女星と牽牛星をまつる行事。この夜、2つの星が、

年に1度だけ相合うという中国の伝説によるもので、葉竹に五色の短冊などを飾り付け、技芸の上達を願う。」(小学館『現代国語例解辞典』)とあります。

 

ーー年に1度、愛や夢を確かめる、そんな1日なのかもしれません。英語の先生が推薦する曲があります。ディズニー映画『ピノキオ』で流れた『When you wish upon a star(星に願いを)』です。

彼は言います。「今日は七夕・・・。星に願いをかけてみてはいかがでしょうか?晴れるといいね!」と。

愛や夢、希望や理想・・・。目で見ることも手で触ることもできません。ところがこれを心の中で暖めておくと、不思議と力がわいてきます。まるで魔法です。

心が折れそうなとき、夢や希望を思い出してくださいね! 

朝のSHRで担任の先生は、クラスの子どもたちの様子を確認します。また、机やドアノブなどの消毒などを行い、試験を受ける環境を整えます。

いくつもの個性・・・

7月3日(金)、3年生美術選択者の授業。以前お伝えした通り、土偶の特性を学んだ上で、実際に現代的な要素を取り入れた、オリジナルの土偶を作りました。

この日は、自分の作品への自己評価と、友だちの作品への感想を書きました。

10名の作品の評価です。しかも点数化することのできない魅力を文章で綴ります。

「髪にメッシュが入っているのが好き」「少し筋肉質みたいな土偶が面白い」「黄色のネックレスのようなものが金メダルにみえた。2020年東京オリンピックですね」など。

思いつきもしなかった作品の特徴が受け手の感性によって浮き彫りにされます。

 

土偶の固定概念を現代的視点から崩す。周りの雰囲気や流行、気づかずに自分たちの行動に影響を与えているものに、苦しんでいませんか。

物の見方は人それぞれのはずです。もっとおおらかに、自分を表現していってください。

無から有へ・・・

6月19日(金)は生憎の雨で、予定されていた2年生の校内清掃ボランティアが延期となりました。

3年生選択授業美術は10名の生徒が選択しています。それぞれに豊かな感性を表現してくれます。

 

今回は土偶の製作です。土偶は1万年前縄文時代の土でできた人形です。特徴は3つあります。

1つめは装飾が施されていること、

2つめにほとんどのモチーフが女性であること、

3つめに壊されて埋められていることが多いというものです。

 

彼らは文字を残してくれません。私たちはあくまで彼らの作品から、メッセージを受け取るしか方法がありません。

まず、図書館でさまざまな本から土偶を探しだし模写します。そこから感じ取ったものをベースにデザインを起こします。

そして紙粘土を用いてそれを立体的に表現し、当時の様子を頭の中でカラー映像に変換し絵の具で彩色します。生徒によって様々です。

無から有を生み出す力。そこに1年間の創作活動の目標を絞りたいと思います。

 

デザイン画と作品立体物作成にかかわる想像力が感性を磨きます。

すがたが浮かび上がる校歌・・・

本校校歌の作詞者は草野心平さん。1903年に現在のいわき市小川町で生まれた詩人です。

同町には彼に関する資料が集められたいわき市立草野心平記念文学館があります。

そのホームページには、『心平は「蛙」をはじめ「富士山」「天」「石」等を主題にして詩を書きましたが、

その根底には「すべてのものと共に生きる」という独特の共生感がありました。』とあります。

 

本校はいわき支援学校くぼた校と校舎をともにしています。

両校の生徒たちは互いを尊重し合いながら共に学び合います。

 

この校歌は、勿来をあらわす「陸奥の門」「関跡」という歌詞とともに、作詞者である草野氏の「共に生きる」

という精神が私たちの学校にとてもしっくりきます。

校歌はその学校の姿を浮かび上がらせます。大切にしてくださいね。

 正門を入ってすぐ右側にある校歌碑。昭和47年度卒業生から寄贈されたものです。

昇降口はくぼた校生と勿来高校生が共に学ぶ入口です。