カテゴリ:学校生活

ほほえみ・・・

10月27日(火)、朝2人の生徒が職員室に遅刻カードを取りに来ました。1人は家を出るのが遅かったから。もう1人は自転車の不具合です。

そうならないように、少し早く準備をしようといつも言っているのにと、苦笑い

 

その後、SHRをのぞきます。小論文の課題が出されているようで、完成させようと四苦八苦している様子を目にしました。

作文ではなく、結論を求められる課題。おそらくはじめて挑戦する彼らに、微笑み

 

2時間目、1年生「体育」の授業を見学しました。反復横跳びです。スポーツテストの一環でしょうか。そういえば今日の朝、出会った生徒が筋肉痛で足が痛いと言っていました。

理由を聞くと昨日の授業で50メートル走を走ったからと。笑うとお腹が痛くなるそうです。50メートル走でそこまで筋肉痛になるのだろうかと、微苦笑

 

4時間目「情報」の授業、Excelの基礎を学びました。「=3+5」「=2×3」などの計算式をセルに打ち込みます。初めてだから「8」「6」とそのまま打ち込む子どもたち。

そのうち「AVERAGE」「SAM」「IF」など、もっと複雑な数式を、社会に出ると使いこなすようになるだろうと、ホッコリ

君たちの小さな小さな日々の営みと成長が私たちに「笑顔」を与えてくれます。それがパワーの源です。

Make A B・・・

10月26日(月)、今日は2年生コミュニケーション英語Ⅱの授業に参加しました。舞台はタイ、人と象が共存すする国です。

地雷で片足を失った象の命を病院の懸命な努力で救うというもの。この日はこの文章に含まれる「受身」の英文表現を学びました(三省堂『VISTAⅠ』)。

「Was Motala injured by humans?」「Yes,but she was saved by them,too.」子どもたちは訳します。

『彼女(象)は人間によって傷つけられたのですが、また同時に人間によって救われたのです』と。このことについて先生は生徒に意見を求めます。そこである生徒はこう答えます。

「地雷を埋めて象にけがをさせた人間もまた、戦争に参加して自分の国を守ろうとしました。だから必ずしも悪だとはいえない」と。先生は応じます。

「物事は見る立場によって評価が変わります。戦争をせざるを得ない状況こそ、問題にしなければならない」と。

その後、本文はこう続きます。「We can make the world a better place for us and for the elephants.」と。

次の授業では、どのようにすれば、象にも人間にも平和な世界を構築することができるのか、生徒たちに考えてもらうそうです。

 

私たちの幸せは平和な社会があってこそ実現できます。できることから始めていきたいですね。

挑戦・・・

10月23日(金)、生憎の雨です。この日、1年生「音楽Ⅰ」の授業を見学しようと教室に入りました。その瞬間、机の上に据えられたお箏が目に飛び込んできました。

 

今日は前回に引き続き、楽器の基本的な知識を学び、実際に演奏してみるという内容でした。

胴の上に立てて弦を支え、置く場所によって音を調節する道具を「箏柱(ことじ)」といい、形によって「並柱」「巾柱」「小柱」と呼ぶそうです。

また、「生田流」と「山田流」と2つの流派があり、前者は角爪を用いるため斜めに、後者は丸爪のため正面に構える。

さらに前者は現代曲も多く、音色を重視するのに対して、後者は「歌もの」とよばれ、歌曲が多いそうです。

説明の後、子どもたちが実際に演奏し始めます。身近な音階である「ドレミファ」ではなく「一二三・・・八九十斗為巾」と書かれた楽譜を見ながら楽しそうに音に親しんでいました。

 

もし私だったら、きっとひとつひとつの音と手の位置を確認しながら、恐る恐る箏に触れていたでしょう。

時間の最後にみんなで一緒に奏でました。きちんとした心地よい調子が耳を打ちます。私は反省しました。

「失敗して恥をかきたくない」という気持ちが、自分の可能性を閉ざしているのだなと。失敗を恐れず、何事にも挑戦しようと思わせてくれました。

目は口ほどに・・・

10月21日(水)、今日は行事が盛りだくさんでした。

 

3年生の選択授業「生活と福祉」では、いわき市の方が来られて、認知症サポーター講座が行われました。高齢社会に向けて、誰もが得ておきたい知識です。

6校時には全学年で文化祭に関するLHRが行われました。今年はクラスTシャツとクラス旗の作成、体育大会が主な内容です。デザインやメンバーを決めるため、活発な意見が飛び交ったことでしょう。

そして放課後は、毎週水曜日、ボランティア活動として行っている駅前清掃です。通称「関の子ボランティア」と呼ばれ、地域の方々と一緒に汗を流します。それぞれの場面で子どもたちの目が輝きます。

 

ところで先日、とある商店で卒業生に会いました。入口を入るとすぐのレジスターで働いていました。卒業して半年以上が経ちます。

私はたまたまその日ばっさりと髪を切りました。卒業生もまた在学中とは違う髪型でした。さらに互いに鼻の上までがマスクで覆われています。服装も互いに普段着です。

ところが私が入口を潜り目が合った瞬間、頭を下げ合いました。以前と同じなのは「目」だけです。

昔から「目は口ほどにものを言う」といわれます。その人が楽しいのか、悲しいのか、不安なのか、自信があるのか、目を見ると伝わることがあります。

心の有り様が目に表れることは確かです。だからこそ、無理に表情をつくり、きれいに着飾る前に心を磨いてくださいね。

 

左右の手の動きを別々に行うことで、脳が刺激され認知症に効果ある体操。

 

「人間の杖」になることのできる心を持ちましょう!

人生の演出・・・

10月20日(火)、今日は2年生「保健」の授業に参加しました。

生涯にわたって健康で豊かな生活を送ることができるように、人生の各ステージで解決しておくべき課題をどのように乗り越えていくのか、

それを子どもたちそれぞれの問題に置き換えて考えさせる内容です。

まず、「健康的な生活習慣を身につける」「心理的不安に対応する」「自分の行動をコントロールする」「親から精神的に自立する」「性を理解する」という5つの課題から、自分が直面している事柄を見つけます。

次になぜそれにつまずいているのかを考えます。「食事の時間が不規則だから」「夜遅くまでスマホを見ているから」「ネガティブ思考だから」など生徒によって様々です。

最後に「早寝早起きをする」「スマホをいじる時間を決める」「好きなことをして発散する」とそれぞれどのように解決するかを模索します。

 

そして他の子たちに自分の課題と解決法を伝え、アドバイスをもらいました。自分と同じ悩みを持っていることを共感できたり、他の視点から解決法を見つけたりと貴重な時間だったのではないでしょうか。

 

先生は言います。「人間生きているだけでもうけものです。ただ少しでも充実した人生を送ることができる方法があるのならそれにこしたことはない。自分の生活を振り返ってみましょう」と。

 

人生の主役はあなた方自身です。自分で演出していきましょう。

 

教室から見える木がすっかり色づいてきました。秋を演出していますね。

目印・・・

10月15日(木)、急に肌寒くなりました。予想最高気温18℃、秋が深まりつつあります。

今日は2年生「情報処理」の授業を見学しました。本校では子どもたちが資格取得試験に挑戦する機会をいくつか設けています。

昨年度の情報処理検定試験の実績は、文書デザイン1級~4級に4名、情報処理検定(表計算)1級~4級にのべ50名でした。

どちらも1級に合格した生徒もおり、努力の成果が見られます。他にも英語、数学、漢字などいろいろな検定受験の機会があります。

「将来のため」「好きだから」「興味本位で」と挑戦しようとする動機は様々でしょう。

 

私自身検定を受験したことはありません。ただ、体を動かすことが好きだったため、柔道や弓道、空手道などの昇段試験には参加しました。

また、歴史が大好きだったので、大学で日本史を研究しました。こちらは卒業時に学士号が得られるだけですから、資格と言うほどでもありませんが、どれも一生懸命頑張りました。

もちろん自分より強い人、学識のある人はたくさんいます。ただ、自分が活動する上での目印になりました。

私は強い人間ではありません。好きだから鍛錬し、探究し、研鑽します。でも時に嫌気がさしてきます。なぜ自分はこんなに苦労をしなければならないのかと。

その様な生活の中で、目に見える成果があると励みになります。80点や2段をとることができたという目印が、次のステップにつながりをつけてくれます。

ぜひいろいろなことに挑戦してみてください。そのバイタリティーが日々の活力を生み出してくれます。

助け合い・・・

10月14日(水)、昨日に引き続き、1校時目は文化祭の準備です。3年生の教室にお邪魔しました。クラスのテーマとクラスTシャツについての話し合いです。

文化祭のテーマが「和衷共済~We can overcome any hardship~」です。みんなで助け合い1つの目標に向かって頑張ろうとの思いが込められています。

このコンセプトに従い各クラスがテーマとTシャツ、クラス旗のデザインなどを行います。

 

ところで、以前もご紹介しましたが、原人から進化した旧人と新人が共存していたといわれます(NHKスペシャル『人類誕生』2019)。

旧人は肉体的に優れた形質を持ち、獲物となる大型動物と対峙していたそうです。反対に新人は肉体的に恵まれず、身を守りまた狩りをするために集団で行動をしていたといいます。

結果的に、協力し合って生活した新人が生存競争で残りました。

 

カタログを参考にクラスTシャツを考えます。色、柄、形、素材にデザインと個々人の嗜好はまちまちです。なかなか決まりません。正解がないのですから、時間がかかります。

じれったいと思うこともあるでしょう。でも、じっと他の人の意見に耳を傾けましょう。時間がかかるかもしれませんが、君たちの決めたテーマに向かって助け合いながら良いものを生み出していってください。

伝えるべきものを・・・

10月13日(火)、今日から3日間1校時目に各クラスが文化祭に向けて話し合いを始めました。3年に1度の文化祭ですが、感染症拡大の影響から、小規模なものとなります。

それでも青春の1ページとなる思い出を作ってください。

 

私はこれまで何度も文化祭に立ち会ってきましたが、2つほど印象深いものがありました。

 

1つ目は、自分が中学校1年生の時です。演劇でした。登場する男子生徒2名は親友です。ところが1人がいわゆる「不良」になります。

一方の男子生徒が何とか彼を立ち直らせようとして、奮闘努力し、最後の場面で不良グループと戦います。そしてついに親友を取り戻すのです。

当時としては陳腐なストーリーですが友情をテーマにしたものでした。教室に机で舞台を設置し、黒板に背景を描きました。自分が役者として出演したこともあり、懐かしい思い出です。

 

2つ目は、教員として担任をもっていたクラスでの出し物です。2001年、ニューヨークの貿易センタービルに2機の旅客機が突っ込みました。

忘れもしません、風呂上がりにテレビを観ていたらいきなりその映像が目に飛び込んできました。いわゆるアメリカ同時多発テロです。

このとき多くの犠牲者が出ました。文化祭はその直後でした。そこで、鎮魂と平和をテーマに犠牲者の数の折り鶴で、2棟のビルを再現、当時の新聞記事やニュース解説などをまとめて教室に展示しました。

 

文化祭が思い出に残る条件は2つあると思います。

1つは自分がどれだけその準備に関わることができたか。もう1つは人々に何を伝えたいのか。

後輩やこれから生まれてくる子どもたちに伝えるべきものを創出してください。

2時間目から通常授業になります。2年生は「日本史B」の時間に第一次護憲運動を学びました。仮にこのテーマだとしたら、何を学び何を伝えることができるでしょうか?

比べるべきは・・・

10月12日(月)、台風の影響もなく、新しい一週間が始まりました。今週16日(金)から就職試験本番が開始され、3年生の多くが挑むことになります。

これまでの練習や努力、何より自分に自信を持って臨んでください。

 

ところで、先日『日日是好日』という映画を観ました。お茶を習う主人公が、先生から「工夫しなさい」と言われて、何年も稽古を重ねながらも、後輩たちより上達しない、そんな自分を不器用だと苛みます。

 

この場面を観て自分はどうだろうと考えました。頭脳明晰、学校の実務を快刀、乱麻を断つごとく捌く先生。

毎日授業のプリント作りに精を出し、放課後遅くまで子供たちに付き合う面倒見の良い先生。

いつでもどこでもどんな時も、心から君たちに語りかける情熱的な先生。彼らに私は敵いません。

 

でも思います、比べたってしょうがないとーー。私たち教師は方法が違っても、みんなが「入って良かった」と思える学校にすることです。

比べるべきはただ一つ、昨日より今日、みんなの「笑顔」に接することが出来たかどうか。

 

これから就職して環境が激変する人もいるでしょう。

自分を上手く表現できずに思い悩み、失敗し、注意され、自分を卑下することがあるかも知れません。

でもそのような時に思い出して下さい。比べるべきは、製品、商品、お客さんの「笑顔」であることを。

 

3年生の昼食風景。卒業するときの「笑顔」を期待しています。

巡り会い・・・

10月9日(金)、台風14号が接近中です。曇天の空の下、覆い尽くす雲を払いのけるかのように、颯爽と1年生が“職”体感ツアーに出かけていきました。

本校は、1,2年生が県内の企業を見学します。さらに2,3年生がインターンシップに赴きます。

今年は感染症の影響で計画通り進まないこともありますが、進路活動の一環として、職業意識を高めることにつながっています。

 

ところで職業をさす単語について、英語(job)ドイツ語(beruf)では少し意味内容が異なると言います。

後者には生きるために自分の時間と労力を提供して対価を得るという以外に、天(神)から与えられた使命という意味合いも含んでいると言います。

この違いについては19世紀のドイツの学者マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に詳しいそうです。

彼はドイツ語の聖書では職業を「ベルーフ」と訳していることから、その論を展開します。宗教改革の端緒となったマルティン・ルターが聖書をラテン語からドイツ語に訳します。

その後フランスでドイツの動きに影響されてジャン・カルヴァンが「予定説」として人間の生涯は生まれながらにして決められていると唱えます。

 

つまり、ある職業をすることは天から与えられたことであるから、励まなければいけないという考えにつながります。

 

私は長く教員をさせていただいています。なってよかったと思います。それが「job」なのか「beruf」なのかは分かりませんが、「縁」だと感じています。

この職業を通じて巡り会った人々のお陰で、日々の充実感が味わえるのだと思います。

どのような職業に就いても、人との出会いを大切にしたいものですね。