今日の勿来高校

何てことないことに・・・

2月12日(金)、学年末考査初日です。1校時、1年生は「保健」、2年生は「家庭総合」、2校時、自習、「音楽Ⅱ」、3校時、「コミュニケーション英語Ⅰ」、「古典A」です。

昨日は建国記念の日で休日でした。きっと今日に備えて励んでいたことでしょう。

 

私は君たちには申し訳ないのですが、大型小売店に買い物に行きました。祝日ともあって、家族連れのお客さんが目立ちます。

そんな中、ふと「これ美味しそう!」「自分で作ればいいべ・・・」という会話が耳に入ってきました。

 

どんな人が、何について話しているのかは分かりませんが、きっと日常のありふれた会話なのでしょう。

私には家族がいないせいかもしれませんが、この会話を聞いてなんだか幸せな気分になりました。


ところで11日は8歳上の兄の結婚記念日です。私が大学生の頃でした。それまでいつも隣の部屋にいた兄がいなくなりました。

その日の夜、なんとなく心にぽっかり穴が空いた気分になったことを今でも覚えています。

兄はバンドを組んだり、バイクに乗ったり、自転車で佐渡まで行ったり、活動的な人でした。

自分のことを顧みず、働いて私を大学に通わせてくれました。感謝の気持ちでいっぱいです。だからこの日は必ず兄のことを思い出します。

 

私にも家族がいたのですね。いつも隣の部屋にいた時は、なんてことのない会話が幸せだと気付かなかった・・・。

この日改めて思いました。平凡な日々こそが貴重なのだと。

朝から友だちと学び合う光景・・・。

こんな平和がいつまでも続いて欲しいと願います。

ディスコやクラブ・・・

2月10日(水)、3年生の登校日です。久しぶりに君たちに逢えたことだけで、今日という日の「意義」を見いだした気がします。

みなさんがいてはじめて、教師である私の営みは成り立っているのだなと。

 

ところで以前、私には人生に後悔はないと言いました。でも実はひとつだけ、やっておけばよかったと思うことがあります。

それは青春を謳歌することです。流行を追い求め、友達と遊ぶ。恋愛し、失恋し、涙を流す・・・。

 

時代性もあったでしょう。「質実剛健」が校是となる時代です。男女が人前で手をつなぐ姿は稀でした。

「受験戦争」ともてはやされたほど、人口も多く偏差値至上主義の教育を受けてきました。

 

性格もあったでしょう。生真面目で柔軟性がなく、しかも人見知りが激しい・・・。遊びや恋愛に足を踏み入れる勇気を持っていませんでした。

時々、テレビなどでその当時流行った遊びや音楽、さまざまなカルチャーを目にします。『マハラジャ』『ジュリアナ』と、行くことができたのに・・・。

 

もっと素直にその時代を味わうべきだったと思います。せっかく自分が生きていた時代に、出会うことができたヒトやコト。

後悔とまでは言いませんが、少し寂しい・・・。

 

きちんと青春してください。ほんのり苦くてぴりっと辛いこともあるでしょうが、きっと人生のあまい思い出になるはずです。

今日も私は青春を取り戻すべく「TRF」を聴くことにします。

 

久しぶりのホームルームです。担任の先生との時間を大切にしてください。

汗を流さない方法・・・

2月9日(火)、期末考査が近づいています。放課後残って勉強する子どもたち、せがまれて頭をかきかき、数学を教える英語の先生の姿、印象的です。

「先生勉強教えて!」「どこだ?」「全部!!」何が分からないのかが分からない・・・。そんな人いませんか?

 

ところで今日は、1年生の「数学Ⅰ」の授業に参加しました。統計とグラフの授業です。

①3年ごとの携帯電話・スマートフォンの所有者数

②日本の人口の年齢ごとの人数の割合を10年ごとに示す、それぞれどのようなグラフを使えばよいでしょうか。

①は折れ線グラフ、②は帯グラフです。

例えばケイタイなどの普及度を見たい場合、折れ線グラフを使えば実際の普及数が分かります。

帯グラフを使えば、どの年代に普及しているのかを知りたい場合に利用できます。つまり何が知りたいのかを考えた上で、グラフを選ぶわけです。

 

テスト前です。大いに勉強してください。でも「教えて」という前に、何が知りたいのかをまず見つけましょう。

次に導き出す方法、そして前提となる数式や事象とさかのぼって考えてみてください。グラフを書く、座標に点を打つ、座標点を出す。どの時点で分からないのかがきっとはっきりしますよ。

英語の先生も汗を流さずにすみます。まず整理することからはじめよう!

意義・・・

2月8日(月)、休み明けの登校は、足取りが心なしか重く見えます。私の休日は、先日お伝えした通り「ロードショー」でした。

金曜日に図書館から何とはなしに手にした本が「芥川賞」作品でした。有名な賞です。楽しみに休日を迎えました。

 

ところが「分からない」というのが感想です。難しい文体、慣用句、複雑な人間関係など一切ありません。素直に入ってくる物語です。

でも読み終えてから「いったい何が言いたいの?」と考えてしまう・・・。

 

実は以前もありました。それも文学賞受賞作です。本ばかりではありません。大ヒットした映画を観ても分からないことがある。

そんな時、自分に社会性、哲学、思考力、創造力がないから、作家の気持ちを読み取ることができないと考えました。でも反面、これでいいとも感じています。

 

大切な休日の時間をつかって取り組んだ出来事だからといって、必ずしも「意義」を見いださなくてもよいのではないかと。

私たちは今日一日を「良い日」であるよう祈ります。「悪い日」だった時、落ち込みます。でも24時間を懸命に過ごした事実に違いはありません。

私は考えます。作品、そして一日の善し悪しは自分で判断しようと。決して選考委員や、周りの人、世間体が決めるものではないと。

 

この日、nacoro広場にくぼた校のみなさんが製作した製品がきれいに並べられました。

きっと心にグッとくる「意義」ある商品が見つかりますよ。

留まらず・・・

2月5日(金)、2年生がいわき市高校生就職支援事業の一環である「いわきの“職”体感ツアー」に参加します。四倉にある電子機器部品加工工場と、平にある乳製品製造会社へ向かいました。

 

新しい生活様式が求められる昨今、情報通信機器の需要は高まることでしょう。反面、時代が変化しても食に対するニーズは常にあります。

また「おうち」需要が高まっていることが報道されています。

美味しいものに、人々の目は注がれます。企業は常に社会状況の変化を敏感につかみ取って、経営方針や技術革新をせまられます。

学校も昨日紹介したように、変化が求められています。

 

私は思い浮かべます。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。(平家物語)」、

「行く川のながれは絶えずして、しかも本の水にあらず。(方丈記)」、「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。(奥の細道)」を。

 

友達との関係、生活環境、何よりも自分の心・・・。上手くいかないと何もかも嫌になることがあります。でもね・・・苦しみや悲しみもまた、いつまでも留まることはありません。

だから今日一日を大切にしてください。今日から明日への旅、君たちの変化につながります。

画面の向こう側を・・・

2月4日(木)、今日は情報処理2時間、数学2時間、合計4時間の授業に参加しました。「黒板にチョーク」という授業スタイルが今は昔の話しに思えます。

 

情報処理の授業は、2月にひかえた情報処理検定試験合格のため、必死で表計算における処理技能を高めようと、「if」「and」「or」「vlookup」と様々な関数と格闘します。

完成を求められるのは「売上票」や「給与明細表」などです。今や会社にパソコンは不可欠です。

 

数学では、電子黒板や書画カメラ(手元の物体を壁面に投射するもの)、さらにボイスチェンジャーを使いながら、子どもたちの視覚に訴える授業が行われました。

担当の先生は授業のユニバーサルデザイン化を推進される方です。人はそもそも同じではありません。見え方、とらえ方、処理速度など十人十色です。

数十人が集う教室です。誰もが見やすく聞きやすく、学びやすい環境作りが欠かせません。そのために情報機器が活用されるのです。

 

学校は大きく様変わりしようとしています。Wi-Fiやタブレット端末の整備が進みつつあります。しかし学び合うのは人間同士です。

パソコンやスマホの画面の向こう側には、生身の人間がいることを片時も忘れないでくださいね。

レリピー♪

2月3日(水)、立春です。いわきは晴れていますが、会津は雪模様。いまだ冬は福島に未練があるようです。

 

ところで、今日は1年生音楽Ⅰの授業に参加しました。テーマはギター。種類は3つ、クラシック・アコースティック・エレキ。弦の素材が違います。

6つある弦はE(ミ)、B(シ)、G(ソ)、D(レ)、A(ラ)、E(ミ)の音を出します。それらをつま弾くことによって音曲を作り出します。

今日はそれぞれ開放弦(指で押さえないこと)の状態で調律しました。チューナーをギターの先端に取り付け、ペック(糸巻き)をまわしながら音を合わせます。

 

私は全くギターをいじったことがありません。従って今日の授業で多くのことを学びました。また思いだしたことがあります。

私の兄が高校生の頃、バンドをやっていました。彼の部屋にはエレキやドラムス、ピアノが置かれ、いつもビートルズの曲が流れてきました。

「レリピー、レリピー♪」と歌う私は、兄たちから大笑いされました。正確には「Let it be」。

その頃小学生だった私には、もちろん何を言っているのか分かりませんでしたが「あるがままに」「自分らしく」「素直に」などと訳されるらしいです。

 

現実や周りの目、世間体や流行など、身動きがとれず、もがき苦しむときがあると思います。そんな時こそ「Let it be」・・・。心との対話が必要ですね。

ロードショー・・・

2月2日(火)、節分です。2日となるのは124年ぶりだといいます。季節を分ける日、明日は立春です。

心なしか今日はいつもより暖かい日ですが、まだまだ寒さは続きます。寒暖の差に服装に配慮して、生活してくださいね。

 

寒いとなかなか活動的になれません。とくに今は外出自粛が叫ばれています。私の休日は食料調達以外、もっぱらアパートにこもって読書です。

学校図書館で目についた短編小説を2冊借りるのが、ウィークデーの楽しみ。休日、登場人物たちに、どのような出会い方をするのか、わくわくします。

日曜日の夜、寝る前に読み終えた本に「1,400円」とあるのが、ふと目に入ります。その時、思ったのです。一般的に映画の料金は2,000円弱。

私はこれほど手軽に、映画に勝るとも劣らない時間を過ごすことができたのかと。

月曜日、図書館の司書さんに、返却がてらその気持ちを伝えました。すると「昔は本がエンターテーメントだったんでしょうね!」とのこと。

テレビや映画、ゲームでわくわくする気持ち、読書でも同じなのですね。今は活字離れといわれ、何となく読書がエンターテーメントのカテゴリーでは肩身が狭い。

でも私にとっては、土日の夕方が、二夜連続の「ロードショー」です。

後悔・・・

2月1日(月)、今日から3年生が自宅学習となりました。2年生が実質的に本校の最高学年となります。1年はあっという間に過ぎ去ります。その日その日を懸命に歩んでください。

 

私には大きな後悔はありません。その都度、しようと思ったことは全て実行したからかもしれません。例えば恋の告白。好きになったらすぐに伝えます。

勿論、成就する自信があって行動するのではありません。ふられて恥をかくことは覚悟の上。でも生きているうち、出会いは限られています。後悔だけはしたくないのです。

進路選択もそうでした。子どもの頃から刑事になるのが夢で、小学生から武術に励み、法学部への進学を考えていました。でも高校3年生の時に、歴史と出会いました。

もっと深く勉強したい、究めたい。そう感じるようになりました。大学に落ちること、就職先が見つからなことで浪人して恥ずかしい思いをすることは覚悟の上でした。

 

ただ50歳にして人生を振り返ってみると、この生き方に自信が無い。理由は私の行動に「相手」が見えてなかったからです。

先の展望もないのにいきなり付き合わされた人、教師の使命感も未だ醸成されていないのに、生徒となった人。

彼らがどんな思いだったかを思うと顔から火が出てしまいそうです。これこそが「後悔」かもしれません。

後悔しない人生とは、「相手」にとって良かったのか、悪かったのか、それが分かれ目なのかもしれません。

 

この日、2年生数学Aの授業では、正多面体づくりが行われていました。NHKの有名キャラがやさしく丁寧に、そしてときに「ボーと生きてんじゃねえよ!」と叱咤しながら説明してくれました。

願い・・・

1月29日(金)、3年生学年末考査最終日です。1校時は「地理A」・「フードデザイン」、2校時は自習、3校時は「現代文B」です。

明日から2月25日(木)まで、自宅学習期間となります。残すは卒業式予行と本番の2日間。感無量です。

必死にその日その日にしがみつきながら、ここまで歩んできた君たちの姿、忘れません。

 

もう直接、君たちに話す機会がありません。だからこの場を借りて最後に1つお願いがあります。幸せになってください。

もし私が君たちの親なら、それだけが望みです。隣の人なんか関係ありません。あなたがたがその日その日を楽しそうに過ごしていてくれさえすれば、それで十分です。

だから決して「私なんか」って言わないでくださいね。そんなこと言われたら、悲しい・・・。親には君たちしかいないのだから。

幸せは自分で創り上げるものです。人より成績が良かったり、走るのが速かったりすることで得られるものではありません。

 

あなたたち一人ひとりが思い描く幸せを実現してこそ初めて手に入るもの・・・。オーダーメイドの人生を創り上げていってくださいね。

お世話になりました。私の人生は君たちのお陰で「幸せ」でした。ありがとう。

 

この日、2年生は、終日進路ガイダンスに参加しました。いよいよ君たちの「幸せ」探しが始まるね。