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2020年11月の記事一覧
ボディーランゲージ・・・
11月25日(水)、生憎の雨模様・・・。一雨ごとに寒さがつのります。風邪引かないようにね。
ところでここ数日朝のニュース番組で「NiziU」という言葉を耳にします。
調べてみると、日韓合同オーディションプロジェクトで選ばれた9人の女性グループだということ。彼女たちの「縄跳びダンス」がはやっているといいます。
はやった踊りといえば80年代のディスコ、90年代のクラブ、DJが場を盛り上げながらR&Bやユーロビートに合わせて踊る姿が目に浮かびます。
ツイスト、パラパラ、ヒップホップなどいろいろなダンスがありました。
ところで、会津の湯川村には「念仏踊り」というものがあり、毎年4月28日に開催され、県の重要無形文化財にも登録されています。
私は何度も練習に参加させていただきました。夜遅く、地域の方々が仕事の疲れも忘れ、子どもたちに踊りやお囃子を教える姿が感動的でした。
阿波踊りやよさこい、さんさ踊りやじゃんがら念仏踊りなど各地に伝統的な踊りが伝わります。
親から子へ、子から孫へと伝えられた踊りで、地域の人々の心を熱くさせます。きっと踊りは人にとって特別なもの、必要なことなのだと思います。
なぜなのか・・・それは分かりません。でもみんなで踊ると、独特な高揚感を味わえることは確かです。
社会は複雑です。時には心身ともに疲れてしまうことがあるでしょう。そんな時こそ踊りましょう。
新しい道が開けるかもしれません。ただし・・・踊らされてはいけませんよ!
いわき市障害福祉課から手話通訳の方をお招きし、3年生「生活と福祉」の授業で、講義をしていただきました。
実際にスピーチを手話通訳していただいたり、手話を用いて自己紹介したりと、充実した時間を過ごしました。
DANCE・・・
11月24日(火)、3連休が終わりました。来週火曜日から期末テストが始まります。忙しくなりそうです。連休中、英気を養うことができましたか?
連休中、私はある言葉に出会いました。
「素人だった自分は、『歌を唄う』というものさえわからず、苦労した事ももちろんあったし。だけど、それと向き合い闘って乗り越えた自分もいます。」
(TRF15th Anniversary BEST MEMORIES所収YUーKIさんの言葉より)
90年代に大活躍したアーティストの方が、15周年を迎えた気持ちを綴られたもの。当時は何も知らずに聴いたり踊ったりしながら楽しんでいました。
しかしそんな想いを知ってから、みなさんの作品を聴いてみました。涙が出ました。
自分の子どもと変わらない若い彼らが、音楽会社を背負って、これまでにないカタチのsound,song,danceを創り出してくれたのだなあと、心が抉られたからです。
実は同じような感覚を私は毎日のように抱いています。連休明け、仲良く登校する姿。近く期末テスト対策に課題を提出する姿。久しぶりに会った友だちとはしゃぐ姿ーー。
そんな一生懸命に生活する君たちの姿は、有名人に劣るところがありません。現実と向かい合い、乗り越えようとしているのですから。
忘れないでくださいね。君たちは日々、人に感動を与えているということを。
生徒研究発表会に参加しました(理科研究部)
11月21日(土)に開かれたいわき地区生徒研究発表会に本校理研部が参加しました。
今年度は「蛭田川と四時川(2)~河川の比較と自浄作用について~」というタイトルで発表しました。(☞発表論文、口頭発表資料はコチラ)
理科研究部はコロナ禍による未曾有の事態におかれながらも、勿来の自然を保全していくために調査・研究活動を続けてきました。
発表会でも1ヶ月に渡る・PP作成、発表練習の成果を発揮し、堂々とした研究発表を行い、優秀賞をいただきました。
「今後も研究成果を発信し続け、勿来高校の研究の火を消さないよう努力していきたいと思います」(松本部長の言葉)
顔を出す日まで・・・
11月20日(金)、今日は2年生が外部講師の方を招いた進路ガイダンス、3年生は校内の先生方から「君たちはどう生きるか」をテーマに話しを聞きました。
女性が社会で働くことが大変だった頃の経験談、夢と現実の狭間の中で歩み続けた人生譚、社会の変化と勿来高校の歩み、お金の話、社会人の心構え、巡り会い、人生相談など
先生方の生の声が、子どもたちの胸に滑り込んでいったことでしょう。
私が時に君たちに伝えるメッセージは「振り返ってみるとこうだった」というものです。高校生の頃、同じような考えをもっていたわけではありません。
もしかすると、君たちが今日聞いたようなことを、当時の先生方や周りの大人から聞いていたのかもしれません。失礼な話しですが、印象に残っていません。実感がわかないのです。
「人を大切にしなさい」「でもどうして嫌な子と仲良くしないといけないの?」「礼儀が大切です」「いや、力さえあれば礼儀なんて!」
失敗の連続でした。挫折の日々でした。何年も続くときがありました。やっと幸運が、と思った矢先に、また失敗なんてこともあります。
きっとこうして初めて「あの人に助けてもらったから今の自分がある」という気持ちになれたのでしょう。
君たちが今日、耳にした言葉は、いつかきっと心の引き出しからひょっこり顔を出すことでしょう。それでいいと思います。そうやって自分の幸せを形作っていくのですから。
実存・・・
11月19日(木)、今日は1年生「コミュニケーション英語Ⅰ」の授業を参観しました。テーマは「There isとThere are」。
山あいから流れる1本の川、そこに泳ぐ魚たち、川のほとりには1軒家があります。屋根の上ではネコたちが昼寝をしています。
近くには木の下に熟したリンゴがいくつも落ちています。先生が手作りでこさえたシート。これを子どもたちは英語で表現します。
単数と複数の違いや否定文にしたときのルールなど、少しでも分かりやすくしようと絵で訴えます。
私がまずこの授業で思いだしたことは『あり おり はべり いまそがり』です。いわずとしれた「ラ行変格活用」。
受験生の頃、呪文のように唱えた記憶がよみがえります。
どれも「いる」「ある」という意味内容で、受験勉強中だった私は「英語ではThere isとThere areか」などと想像を巡らしたことがあります。
「いる」「ある」という言葉はとても重要なワードだと思っています。それは存在を意味する言葉だからです。人は誰でも迷い、惑います。
今自分がどこにいるのか、どこに進めばよいのか不安になります。でも、よく考えてみて下さい。悩もうが悔やもうが、今君たちは確かにそこに「いる」のです。
忘れないで下さいね。君たち一人ひとりがかけがえのない「存在」であることを。
輝き・・・
11月18日(水)、今日は学校評議員の方が来校され、授業の様子を観ていただきました。
「みんなかわいい文字をかきますね」「授業でこんなことまで学ぶのですね」「今の子は運動が苦手そうですね」など子どもたちの普段の顔を見てもらいました。
私は毎日、みんなと接しています。「いつもの文字」「いつもの授業内容」「いつもの体力(学力)」という印象でしかありません。
だから今回頂いたご意見やご感想は、とても新鮮でした。社会に出ると求められる文字や体力、知識や技術があり、まだまだ学校ではそれらを上手に伝え切れていないのだなと。
ただし、君たちには社会で輝くことのできる原石があります。決して見かけやテストの成績だけでは測ることのできない輝きの源。
それは独特の感性やニッチな知識、ダンスや演技の実力などかもしれません。毎日接しているからこそ、それだけは感じ取ることができます。
でも原石は磨かないと光り輝きません。光り輝いてこそ社会の中で自分の存在をしらせることができます。
社会が君たちに求める姿を真摯に受け止めつつ、自分自身の光で社会を照らす努力を忘れないで下さい。
振り返れば思い出に・・・
11月17日(火)、今日は1年生の「音楽Ⅰ」の授業を参観しました。授業の冒頭、2週間後に迫った期末テストの説明が行われました。
井上陽水さんの『少年時代』について。ハミング・造語・楽譜について問われるそうです。さらにお琴の歴史や各部の名称、そして演奏です。
以前、どちらも授業の様子を紹介しました。早いものです。もうまとめの時期ですね。
1年生は入学後すぐ長い期間、学校に来ることができませんでした。担当の先生方も、せっかく出会えた君たちの顔を見ることができず、寂しそうでした。
6月から通常授業に戻りました。ただ、楽しいお昼休みもおしゃべりしながら食べることができません。
せっかく入学した学校の校歌を大声で歌うことすらはばかられるような生活でした。
でも新しく出会えた友人たち。制約はありながらも親しくなりました。でも慣れていくにつれ、不安や心配事、トラブルにも遭遇したことでしょう。
その都度苦しみながらも、遠足や文化祭・体育大会などをへて、クラスの色ができあがったのではないでしょうか。
先生方も遅くまで君たちの話を聞いてくれましたね。
昨日食べたいつもの夕食は思い出になりにくい。でも本を見ながら包丁を振るった料理は、昔語りになります。
一歩ずつ・・・、君たちが積み重ねた114日間が証明しています。
美しき「試行錯誤」・・・
11月16日(月)、3年生への防災講話が開かれます。来年から社会人となる彼ら。災害時に行動を共にする人々は、これまでと違い多様です。
年齢や性別は勿論、災害弱者と称される方々もいることでしょう。緊急時に自分に何ができるのか、どのように対処すれば良いのかを学び取ってください。
試行錯誤を繰り返さないと、いざという時、動くことができません。
ところで自信が無いとき、自分の本心を上手く表現できなかった経験はないでしょうか。
話し合いの場、本当はそう思っていないのに手を挙げられない。授業で先生に指名されて「分かりません」と答える。
会話中、話しを合わせて愛想笑いをしてしまう。好きな人へ、素直に想いを伝えられない・・・。
「どう思われるだろう」「何か言われたくない」「嫌われるのはいや」だれでもそう思います。でも過ぎ去ってみるといつでも残るのは後悔です。
だからやるしかないのです。でも実行するには勇気が必要です。勇気は自信があたえてくれます。そして経験と反省の繰り返しが自信を育てます。
だからまず、そんな不器用な自分を認めてあげてくださいね。
『おびえる自分は余裕げな自分に 負けそう ときどき だよねだけど地球は明日も必ず回るよ』(TRF『CRAZY GONNA CRAZY』より)
防災士の方より、「要配慮者避難支援を考える」と題した講演会が行われました。みんなの正義が、社会を救います。
歴史の創造者・・・
11月13日(金)、文化祭・体育大会が終わりました。祭りの後・・・、週末ともあってそこはかとない雰囲気が漂います。
特に最後に行われた男女混合リレーは大変盛り上がりました。抜きつ抜かれつのデッドヒート、飛び交う声援、ゴール直後に倒れ込む姿とそれを介抱するクラスメートーー。
ほとばしる青春の汗が、どうして感動を呼び起こさずにいられましょうか。
帰り際、くぼた校の先生からお言葉を頂きました。
「リレー拝見しました。盛り上がりましたね。」
「くぼた校の子どもたちと一緒にできるといいですね。」
「お互い励みになりますね。」そんな会話でした。
また普段事務室で私たちの教育環境整備に力を尽くしてくださる主事の方からです。
「僕、感動しました。みんなが一致団結して応援しあう姿に・・・。早く僕も自分の子どもの運動会に行きたいです。」
直向きな姿勢は感動を生み出します。感動は人を動かします。時にその人の人生や社会を変えます。
君たち一人ひとりが歴史を創る主人公であることを忘れずに。私たちにとって、君たちは大切な大切な宝物ですからね。
いつも爽やかで優しい笑顔を絶やさない事務の方。遅くまで仕事をされていますが、ご自分で料理をお作りになるそうです。
おもてなし・・・
11月12日(木)、文化祭・体育大会2日目です。今日は男女混合リレーが行われます。各クラスの応援合戦が楽しみです。
そのようなお祭り騒ぎの中、校舎を共有するくぼた校ではいつもの通りの「学び舎」です。
子どもたちがグラウンドでのざわめきを横目に、ひたむきに活動する姿が印象的です。またいつも感心させられることですが、くぼた校の先生方のおもてなしの心です。
両校は校舎を共有しますが、玄関は1つ、勿来高校側にあります。みなさんがもしその日に来客があるとしたらどうしますか?
約束の前後10分から15分は迎える用意に勤しむのではないでしょうか。くぼた校の先生方は、玄関にスリッパを並べてじっとお客さんをお待ちします。
長ければ20分から30分も立ったままです。来訪した方がどこに行ったら良いのか困惑しないように。
忙しい先生方のことです。30分あれば何かしたいこともあるでしょう。それでもなお来る方を気遣う心。授業ばかりではありません。
そのような後ろ姿から、生きる上で大切な何かを学び取って欲しいと思います。
文化祭、クラス旗「3年2組」、クラスTシャツ「3年1組」、体育大会総合優勝「3年2組」という結果、オリンピックさながらのもりあがりでした。
来年開催予定の東京オリンピックでも「おもてなし」の精神を大切にしたいですね。
輝きはともに・・・
11月11日(水)、朝6時過ぎ、学校をあけるとすぐに、2人の生徒がやって来ます。今日は朝から文化祭の準備だそうです。
時に遅刻することもあります。まあ早く来るにも遅く来るにも理由があります。全てが青春の1ページですね!
今日から2日間にわたり文化祭・体育大会が行われます。文化祭はクラスごとに旗やユニホームを作成、デザインを競います。
体育大会はフットサル、ドッジボール、バドミントン競技で競います。
各クラスのテーマは1年1組「一陽来復(いちようらいふく)」、1年2組「Fly high to the future」、
2年1組「戮力協心(りくりょくきょうしん)」、2年2組「百花繚乱」、
3年1組「Step by step」、3年2組「瞬火集闘(しゅんかしゅうとう)」です。クラスの個性が際立ちます。
昨夜7時頃まで旗の製作にあたっていたクラスもありました。
1人の子がこの学校で担任の先生が一番好きですと、充実感からでしょうか、目を輝かせながら教えてくれました。
この文化祭、学校テーマは「和衷共済(わちゅうきょうさい)」です。みんなで助けあって1つの目標に向かって頑張るという意味だそうです。
学校は生徒と教師が一緒になって創り上げるものです。いつまでも目を輝かすことのできる活動をしていきましょうね。
数字は怖くない・・・
11月10日(火)、この日たまたま授業で30%の食塩水と50%の食塩水とを混ぜると何%になるか、という話になりました。
昔、何度も出会った問題だなあと思い、子どもたち何人かに聞いてみました。ところが今の彼らにとっても難問――。
すっきりと答えが出ません。そこで、授業が終わってから、頭を整理しながら考えました。
どちらも食塩水100gだとして、30%には30g、50%には50gの食塩が入っていて、それを足します。
つまり100g+100g=200gのなかに、30g+50g=80gの食塩が入っています。
食塩水全体が200gの中に80gの食塩ですから、80÷200×100=40%となります。
「30%と50%だから80%?」「3割引と30%は一緒?」よく考えれば違うことがわかります。ところが目の前の数字は、時に私たちを惑わせます。
全体像を思い描いてください。食塩水の量は増えています。単位が異なります。
慣れないものや理解が不十分なことにたいして我々は冷静さを失うことがあります。だからこそ経験と学習が必要なのです。
何事にもチャレンジしてください。きっと不安や恐れが遠ざかっていきますよ。
1年生「現代社会」の授業。統計資料を冷静に読み解く力をつけてくださいね。
クラス文化・・・
11月9日(月)、いよいよ今週の水曜日から文化祭が始まります。遅くまでクラス旗づくりに勤しむ姿が目につくようになりました。
ところで11月3日にNHKで放送された『不思議の首里城~沖縄 心の物語』を観ました。昨年10月31日に沖縄の象徴とも言うべき首里城が焼失しました。
再建に向け昔の絵図が参考にされています。ところが多くの絵に首里城は黒く表現されているそうです。首里城と言えば赤というイメージです。いったいどうしたことでしょうか。
そこで研究者が調べた結果、黒い首里城は大半が町の絵師の手によるものだったそうです。それに対して赤の首里城は王府が描かせたもの。
そこから、次のように結論づけられたようです。黒い首里城は本土の人々に絵を買ってもらうために、馴染みがあり、また武士好みであった黒で表現されたのだと。
沖縄では原色が好まれるそうです。日本の多くの城や寺社の正殿が南向きなのに対して、首里城は西向きです。
太陽を背に受け、正面から御嶽(ウタキ)とよばれる祭祀施設からパワーをもらうためだそうです。それほどに芸術は作り手の感性や文化によって異なります。
みなさんの作る旗やTシャツもまた、クラス文化が表現されたものであることでしょう。
琉球王国は薩摩藩の支配を受けました。太平洋戦争では首里城に司令部が置かれました。その都度独自の文化が抑圧を受けました。
もうそのような歴史を繰り返すのはやめましょう。君たち自身のクラス文化を表現してくださいね。
nacoro広場に各クラスのTシャツが展示されました。
鎧・・・
11月6日(金)、今日は学校公開日です。何人かの保護者の方が授業の様子を観にこられました。
校長先生と懇談する方もおられ、普段あまり学校に足を運ぶ機会のないみなさんに、子どもたちの様子をお知らせする日でした。
高校生ともなると、気恥ずかしく感じる子もいるでしょう。両親に「こなくていいよ!」と言った記憶が私にもあります。
人は成長するにつれ自我が目覚めます。しかも思春期ともなれば、心も体も成長する。しかし周りは以前と同じように子ども扱いする。
そんなやり場のないもやもやが、心を締め付けます。変に大人ぶったり、反抗したりときっとそれは「心の叫び」なのかもしれません。
ところで、倖田未來さんの『hands』という曲の歌詞に
「冷たく凍えそうなmy hands こんなに想っているのに・・・
『本当は引き止めてほしい』そう言いたかった・・・届かない my hands」 という一節があります。
プライドなのかどうか、想い人に正直な気持ちを伝えられなかった・・・。私にも経験があります。
自我を形成していくうちに、私たちは自分という「鎧」をまとっていきます。弱音や本音を吐きにくくなります。
なのに自分自身を打ち破ることができないで苦しむ。分かります。未だに私も鎧でがんじがらめですから。
でも、ときに「引き止めて欲しい」と行ってくださいね。意外と落ち着くものです。鎧もやがて古くなります。
その度に上塗りしてばかりいると重くなるばかり。時には恥をかいてみませんか。
この日、先日陸上自衛官候補生に合格した生徒が、一般曹候補生採用試験にも合格しました。
時には肩の力を抜いて、励んでくださいね。
共に・・・
11月5日(木)、文化祭の準備のため、今日も午後はクラスで活動です。どのクラスも文化祭特有の絵の具のにおいと活気に満たされていました。
ところで昨日午後6時頃、私は学校を見回っていました。日も短くなった風の冷たい時間、校庭側の教室から煌煌と光が漏れています。
くぼた校の先生が子どもたちのいなくなった教室で、同僚の先生と、授業の準備に勤しんでおられました。
そういえば次の日は研究授業ですね。私はそっとその場を離れました。明日も晴れますようにと祈りながら。
子どもたちの活動の裏には、先生方の努力があります。先生方の努力を支えるのは子どもたちの笑顔です。
くぼた校の文化祭では一生懸命楽器の演奏をする子どもたちがいました。音楽に合わせて楽しく踊るみんなの姿に感涙しました。
私たちもまた、文化祭の準備に勤しむ子どもたちの姿に元気をもらいます。
こうやって互いに力を与え合っている・・・。教師も生徒も共に生きる学校なのだと実感しました。
絆・・・
11月4日(水)、各クラスで赤い羽根募金の活動が始まりました。
集まったお金は、お年寄りや障がいをもつ方々、災害被災者などのために活動するボランティア団体への助成に使われるそうです(赤い羽根共同募金ホームページより)。
本校にも東日本大震災による影響から、県内他地域や関東などへと移動を余儀なくされた子どもたちがいます。
気候・風土の異なる土地、知らない人ばかりの学校、不安と緊張の連続だったでしょう。
ところで震災では警察官、自衛官、消防官、役場の職員や消防団員など自分を犠牲にしてまで、救助や復旧に力を尽くして頂きました。
当時、小さかった子どもたちには頼もしい存在だったのではないでしょうか。
そのような経験をした子どもたちの中には「人のために働きたい」と考え、進路を模索する子もいます。
勿論、警察官や自衛官を目指す場合もありますが、緊急時に食物の調達が困難だったことから食品関係の会社を目指す子もいます。
避難生活で文化が大切だと感じ、芸術系の専門学校を考える子もいます。
私が軽々しく震災について語ることははばかれます。いまだに苦しんでいる方々がたくさんおられるからです。
ただこのような子どもたちの気持ちを間近に見ると、「絆」の意義をあらためて実感させられます。
陸上自衛官候補生の合格証書をいただきました。誇らしい姿です。
違和感から逃げないで・・・
11月2日(月)、早朝勿来駅でPTAの方々が、挨拶運動をしてくださいました。勿来へ来る人、勿来から行く人と、色とりどりの学生服から「おはようございます」との言葉が行き交います。
今日は1年生の数学の授業に参加しました。「三角比の相互関係」が主題です。「sinA」を「cosA」で割ると「tanA」となる。
何かを発見した時にもつわくわくした気持ちがわき上がりました。ただ生徒にとってこの3つの単語は、身近でない分、発見の感動を味わうにはもう一歩という子もいました。
ところで書名は忘れてしまいましたが、アナール学派の本で、イギリスの「public」「inn」が歴史に大きな影響を及ぼしたことが書かれていました。
仕事を終えた労働者や町を渡り歩く商人、様々な思想や情報が飛び交い伝播していく場所でした。それらがうねりとなって人を動かし時代を変えます。
今はその役割をSNSが果たしているようです。アフリカ北部で起きた革命や東アジアの民主化運動、アメリカ大統領選ではツイッターなどが用いられているようです。
情報によって社会は変わります。英雄や大事件は情報がもたらした人々のうねりのようなものが生み出したものにすぎないでしょう。
対話を疎かにしないでください。親近感のわかない言葉や意見にこそ耳を傾け、冷静な行動をとることのできる人になってくださいね。
数学の先生は、「sin」「cos」「tan」を分かりやすく説明するために、それぞれ黄、赤、青で板書してくれました。違和感を乗り越えてくれるよう祈ります。
選挙権の重み・・・
10月30日(金)、今月最後の授業日です。2年生「日本史B」では大正時代の社会運動が取り上げられていました。
資本主義の黎明期、さまざまな矛盾が噴出した時期でした。「普通選挙」「労働組合」「社会主義」「部落解放」「女性解放」と市民の声が高まります。
ところで、本校では毎週「視点・論点」とよばれる課題を朝自習の時間に行います。担当の先生が社会的な問題について話題を提供し、子どもたちが意見を述べるというものです。
今週は選挙についてです。近年の投票率低下に歯止めをかけるべく、無投票者に罰則を科すという意見に対して、どのように考えるかというものでした。
私たちが近代社会で選挙権を獲得する道のりは平坦ではありませんでした。アメリカ独立戦争、フランス革命が必ず教科書で取り上げられるのは、選挙がいかに大切なものかを理解するためでしょう。
国政を変えるのにラ=ファイエット、ダントン、ミラボーらは血を流しました。しかし私たちは、投票によって「革命」を起こすことができるのです。
先生は投票しない人に対して罰則を設けることについて、子どもたちに問いました。すると多くが反対でした。理由は「考えることなく投票してしまうから」というもの。
17歳の彼らはきちんと考えています。来年、間違いなく有権者となり、投票することになるでしょう。昔の人々が何世紀もかけて築き上げてきた人権の重みを、歴史を学ぶことによって感じて下さいね。
本日の3年生「美術」の授業で、勿来の宿泊施設の塀に描くデザインを描きました。みなさんに投票してもらいましょう!
夢の国へ・・・
10月29日(木)秋晴れの空の下、1年生はひたち海浜公園へ、2年生は平方面へ遠足に向かいました。
「遠足」という言葉は、文字通り「遠くまで足を運ぶこと」の意で、江戸時代から使われていました。
しかし明治時代になると、集団行動が求められることから、軍事教練の意味合いも強まったと言われます。
ただし現在は、特別活動に位置づけられ「・・・体験的な活動を通して、集団への所属感や連帯感を深め、公共の精神を養う」ために行われます(文科省『高等学校学習指導要領』H30告示)。
1988年、私が高校3年生の時、東京ディズニーランドへ遠足に行きました。
1983年4月開園のこの施設、当時人気は絶大で、それまで足繁く通っていた「としまえん」(2020.8.31閉園)とは雰囲気の違う「夢の国」でした。
だからこんな機会でもなければ、おそらくシンデレラ城を目にすることもなかったでしょう。
こちらの施設が今年9月28日に、新しいエリアがオープンしたそうです。ニューファンタジーランドといわれ、新たなアトラクションが出迎えてくれます。
開園から40年近くが経ちます。新たなる「夢の国」へと更新されました。
私たちには夢があります。「○○になりたい」「○○な生活がしたい」「○○が欲しい」就職活動や受験の中で、多くの子がそのような夢と格闘していることでしょう。
就職や進学、結婚や出産など人生のエポックを「門出」という場合があります。始まりです。
夢をリニューアルして、もっともっと豊かな自分にとっての「夢の国」へと更新していって下さい。