今日の勿来高校

振り返れば思い出に・・・

11月17日(火)、今日は1年生の「音楽Ⅰ」の授業を参観しました。授業の冒頭、2週間後に迫った期末テストの説明が行われました。

井上陽水さんの『少年時代』について。ハミング・造語・楽譜について問われるそうです。さらにお琴の歴史や各部の名称、そして演奏です。

以前、どちらも授業の様子を紹介しました。早いものです。もうまとめの時期ですね。

1年生は入学後すぐ長い期間、学校に来ることができませんでした。担当の先生方も、せっかく出会えた君たちの顔を見ることができず、寂しそうでした。

6月から通常授業に戻りました。ただ、楽しいお昼休みもおしゃべりしながら食べることができません。

せっかく入学した学校の校歌を大声で歌うことすらはばかられるような生活でした。

でも新しく出会えた友人たち。制約はありながらも親しくなりました。でも慣れていくにつれ、不安や心配事、トラブルにも遭遇したことでしょう。

その都度苦しみながらも、遠足や文化祭・体育大会などをへて、クラスの色ができあがったのではないでしょうか。

先生方も遅くまで君たちの話を聞いてくれましたね。

昨日食べたいつもの夕食は思い出になりにくい。でも本を見ながら包丁を振るった料理は、昔語りになります。

一歩ずつ・・・、君たちが積み重ねた114日間が証明しています。

美しき「試行錯誤」・・・

11月16日(月)、3年生への防災講話が開かれます。来年から社会人となる彼ら。災害時に行動を共にする人々は、これまでと違い多様です。

年齢や性別は勿論、災害弱者と称される方々もいることでしょう。緊急時に自分に何ができるのか、どのように対処すれば良いのかを学び取ってください。

試行錯誤を繰り返さないと、いざという時、動くことができません。

 

ところで自信が無いとき、自分の本心を上手く表現できなかった経験はないでしょうか。

話し合いの場、本当はそう思っていないのに手を挙げられない。授業で先生に指名されて「分かりません」と答える。

会話中、話しを合わせて愛想笑いをしてしまう。好きな人へ、素直に想いを伝えられない・・・。

「どう思われるだろう」「何か言われたくない」「嫌われるのはいや」だれでもそう思います。でも過ぎ去ってみるといつでも残るのは後悔です。

だからやるしかないのです。でも実行するには勇気が必要です。勇気は自信があたえてくれます。そして経験と反省の繰り返しが自信を育てます。

だからまず、そんな不器用な自分を認めてあげてくださいね。

『おびえる自分は余裕げな自分に 負けそう ときどき だよねだけど地球は明日も必ず回るよ』(TRF『CRAZY GONNA CRAZY』より)

 

防災士の方より、「要配慮者避難支援を考える」と題した講演会が行われました。みんなの正義が、社会を救います。

歴史の創造者・・・

11月13日(金)、文化祭・体育大会が終わりました。祭りの後・・・、週末ともあってそこはかとない雰囲気が漂います。

特に最後に行われた男女混合リレーは大変盛り上がりました。抜きつ抜かれつのデッドヒート、飛び交う声援、ゴール直後に倒れ込む姿とそれを介抱するクラスメートーー。

ほとばしる青春の汗が、どうして感動を呼び起こさずにいられましょうか。

帰り際、くぼた校の先生からお言葉を頂きました。

 「リレー拝見しました。盛り上がりましたね。」

 「くぼた校の子どもたちと一緒にできるといいですね。」

 「お互い励みになりますね。」そんな会話でした。

また普段事務室で私たちの教育環境整備に力を尽くしてくださる主事の方からです。

 「僕、感動しました。みんなが一致団結して応援しあう姿に・・・。早く僕も自分の子どもの運動会に行きたいです。」

直向きな姿勢は感動を生み出します。感動は人を動かします。時にその人の人生や社会を変えます。

君たち一人ひとりが歴史を創る主人公であることを忘れずに。私たちにとって、君たちは大切な大切な宝物ですからね。

いつも爽やかで優しい笑顔を絶やさない事務の方。遅くまで仕事をされていますが、ご自分で料理をお作りになるそうです。

おもてなし・・・

11月12日(木)、文化祭・体育大会2日目です。今日は男女混合リレーが行われます。各クラスの応援合戦が楽しみです。

 

そのようなお祭り騒ぎの中、校舎を共有するくぼた校ではいつもの通りの「学び舎」です。

子どもたちがグラウンドでのざわめきを横目に、ひたむきに活動する姿が印象的です。またいつも感心させられることですが、くぼた校の先生方のおもてなしの心です。

両校は校舎を共有しますが、玄関は1つ、勿来高校側にあります。みなさんがもしその日に来客があるとしたらどうしますか?

約束の前後10分から15分は迎える用意に勤しむのではないでしょうか。くぼた校の先生方は、玄関にスリッパを並べてじっとお客さんをお待ちします。

長ければ20分から30分も立ったままです。来訪した方がどこに行ったら良いのか困惑しないように。

忙しい先生方のことです。30分あれば何かしたいこともあるでしょう。それでもなお来る方を気遣う心。授業ばかりではありません。

そのような後ろ姿から、生きる上で大切な何かを学び取って欲しいと思います。

 

文化祭、クラス旗「3年2組」、クラスTシャツ「3年1組」、体育大会総合優勝「3年2組」という結果、オリンピックさながらのもりあがりでした。

来年開催予定の東京オリンピックでも「おもてなし」の精神を大切にしたいですね。

輝きはともに・・・

11月11日(水)、朝6時過ぎ、学校をあけるとすぐに、2人の生徒がやって来ます。今日は朝から文化祭の準備だそうです。

時に遅刻することもあります。まあ早く来るにも遅く来るにも理由があります。全てが青春の1ページですね!

今日から2日間にわたり文化祭・体育大会が行われます。文化祭はクラスごとに旗やユニホームを作成、デザインを競います。

体育大会はフットサル、ドッジボール、バドミントン競技で競います。

 

各クラスのテーマは1年1組「一陽来復(いちようらいふく)」、1年2組「Fly high to the future」

2年1組「戮力協心(りくりょくきょうしん)」、2年2組「百花繚乱」

3年1組「Step by step」、3年2組「瞬火集闘(しゅんかしゅうとう)」です。クラスの個性が際立ちます。

昨夜7時頃まで旗の製作にあたっていたクラスもありました。

1人の子がこの学校で担任の先生が一番好きですと、充実感からでしょうか、目を輝かせながら教えてくれました。 

この文化祭、学校テーマは「和衷共済(わちゅうきょうさい)」です。みんなで助けあって1つの目標に向かって頑張るという意味だそうです。

 

学校は生徒と教師が一緒になって創り上げるものです。いつまでも目を輝かすことのできる活動をしていきましょうね。

数字は怖くない・・・

11月10日(火)、この日たまたま授業で30%の食塩水と50%の食塩水とを混ぜると何%になるか、という話になりました。

 

昔、何度も出会った問題だなあと思い、子どもたち何人かに聞いてみました。ところが今の彼らにとっても難問――。

すっきりと答えが出ません。そこで、授業が終わってから、頭を整理しながら考えました。

 

どちらも食塩水100gだとして、30%には30g、50%には50gの食塩が入っていて、それを足します。

つまり100g+100g=200gのなかに、30g+50g=80gの食塩が入っています。

食塩水全体が200gの中に80gの食塩ですから、80÷200×100=40%となります。

 

「30%と50%だから80%?」「3割引と30%は一緒?」よく考えれば違うことがわかります。ところが目の前の数字は、時に私たちを惑わせます。

 

全体像を思い描いてください。食塩水の量は増えています。単位が異なります。

慣れないものや理解が不十分なことにたいして我々は冷静さを失うことがあります。だからこそ経験と学習が必要なのです。

何事にもチャレンジしてください。きっと不安や恐れが遠ざかっていきますよ。


1年生「現代社会」の授業。統計資料を冷静に読み解く力をつけてくださいね。

クラス文化・・・

11月9日(月)、いよいよ今週の水曜日から文化祭が始まります。遅くまでクラス旗づくりに勤しむ姿が目につくようになりました。

ところで11月3日にNHKで放送された『不思議の首里城~沖縄 心の物語』を観ました。昨年10月31日に沖縄の象徴とも言うべき首里城が焼失しました。

再建に向け昔の絵図が参考にされています。ところが多くの絵に首里城は黒く表現されているそうです。首里城と言えば赤というイメージです。いったいどうしたことでしょうか。

そこで研究者が調べた結果、黒い首里城は大半が町の絵師の手によるものだったそうです。それに対して赤の首里城は王府が描かせたもの。

そこから、次のように結論づけられたようです。黒い首里城は本土の人々に絵を買ってもらうために、馴染みがあり、また武士好みであった黒で表現されたのだと。

 

沖縄では原色が好まれるそうです。日本の多くの城や寺社の正殿が南向きなのに対して、首里城は西向きです。

太陽を背に受け、正面から御嶽(ウタキ)とよばれる祭祀施設からパワーをもらうためだそうです。それほどに芸術は作り手の感性や文化によって異なります。

 

みなさんの作る旗やTシャツもまた、クラス文化が表現されたものであることでしょう。

琉球王国は薩摩藩の支配を受けました。太平洋戦争では首里城に司令部が置かれました。その都度独自の文化が抑圧を受けました。

もうそのような歴史を繰り返すのはやめましょう。君たち自身のクラス文化を表現してくださいね。

 nacoro広場に各クラスのTシャツが展示されました。

鎧・・・

11月6日(金)、今日は学校公開日です。何人かの保護者の方が授業の様子を観にこられました。

校長先生と懇談する方もおられ、普段あまり学校に足を運ぶ機会のないみなさんに、子どもたちの様子をお知らせする日でした。

高校生ともなると、気恥ずかしく感じる子もいるでしょう。両親に「こなくていいよ!」と言った記憶が私にもあります。

 

人は成長するにつれ自我が目覚めます。しかも思春期ともなれば、心も体も成長する。しかし周りは以前と同じように子ども扱いする。

そんなやり場のないもやもやが、心を締め付けます。変に大人ぶったり、反抗したりときっとそれは「心の叫び」なのかもしれません。

 

ところで、倖田未來さんの『hands』という曲の歌詞に

「冷たく凍えそうなmy hands こんなに想っているのに・・・

『本当は引き止めてほしい』そう言いたかった・・・届かない my hands」 という一節があります。

プライドなのかどうか、想い人に正直な気持ちを伝えられなかった・・・。私にも経験があります。

自我を形成していくうちに、私たちは自分という「鎧」をまとっていきます。弱音や本音を吐きにくくなります。

なのに自分自身を打ち破ることができないで苦しむ。分かります。未だに私も鎧でがんじがらめですから。

でも、ときに「引き止めて欲しい」と行ってくださいね。意外と落ち着くものです。鎧もやがて古くなります。

その度に上塗りしてばかりいると重くなるばかり。時には恥をかいてみませんか。

 

この日、先日陸上自衛官候補生に合格した生徒が、一般曹候補生採用試験にも合格しました。

時には肩の力を抜いて、励んでくださいね。

共に・・・

11月5日(木)、文化祭の準備のため、今日も午後はクラスで活動です。どのクラスも文化祭特有の絵の具のにおいと活気に満たされていました。

ところで昨日午後6時頃、私は学校を見回っていました。日も短くなった風の冷たい時間、校庭側の教室から煌煌と光が漏れています。

 

くぼた校の先生が子どもたちのいなくなった教室で、同僚の先生と、授業の準備に勤しんでおられました。

そういえば次の日は研究授業ですね。私はそっとその場を離れました。明日も晴れますようにと祈りながら。

子どもたちの活動の裏には、先生方の努力があります。先生方の努力を支えるのは子どもたちの笑顔です。

くぼた校の文化祭では一生懸命楽器の演奏をする子どもたちがいました。音楽に合わせて楽しく踊るみんなの姿に感涙しました。

 

私たちもまた、文化祭の準備に勤しむ子どもたちの姿に元気をもらいます。

こうやって互いに力を与え合っている・・・。教師も生徒も共に生きる学校なのだと実感しました。

絆・・・

11月4日(水)、各クラスで赤い羽根募金の活動が始まりました。

集まったお金は、お年寄りや障がいをもつ方々、災害被災者などのために活動するボランティア団体への助成に使われるそうです(赤い羽根共同募金ホームページより)。

 

本校にも東日本大震災による影響から、県内他地域や関東などへと移動を余儀なくされた子どもたちがいます。

気候・風土の異なる土地、知らない人ばかりの学校、不安と緊張の連続だったでしょう。

ところで震災では警察官、自衛官、消防官、役場の職員や消防団員など自分を犠牲にしてまで、救助や復旧に力を尽くして頂きました。

当時、小さかった子どもたちには頼もしい存在だったのではないでしょうか。

 

そのような経験をした子どもたちの中には「人のために働きたい」と考え、進路を模索する子もいます。

勿論、警察官や自衛官を目指す場合もありますが、緊急時に食物の調達が困難だったことから食品関係の会社を目指す子もいます。

避難生活で文化が大切だと感じ、芸術系の専門学校を考える子もいます。

 

私が軽々しく震災について語ることははばかれます。いまだに苦しんでいる方々がたくさんおられるからです。

ただこのような子どもたちの気持ちを間近に見ると、「絆」の意義をあらためて実感させられます。

 

陸上自衛官候補生の合格証書をいただきました。誇らしい姿です。