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カテゴリ:学校生活
姿と目・・・
12月17日(木)、昨日放課後、今年最後の駅前清掃ボランティアが行われました。通称「関の子ボランティア」です。
地域の方々が勿来駅前の環境整備に活動されており、そのお手伝いを毎週水曜日にさせていただいています。
昨日の参加者は生徒会の生徒を中心に6名でした。また同じ活動をくぼた校の生徒も行っています。こちらは15名が参加しました。
勿来高校の子どもたちはトイレを、くぼた校の子どもたちは駅周辺のゴミ拾いを担当しました。
この日はこの冬初めての寒波に見舞われたため、寒風吹きすさぶ中、冷たい水に手をぬらし懸命に励む姿が痛々しくもありました。
おそらくトイレは明日には再び汚れます。次の日にはゴミもきっと落ちているでしょう。では君たちの努力は虚しいものなのか?違います!
駅前の関の子広場で毎日子どもたちを見守ってくれる地域の人々の姿、毎週トイレを掃除する高校生の姿、
周辺のゴミを拾うことで清潔に保とうとする子どもたちの姿。駅を使う人々の目、
彼らを迎えに来る人々の目、周辺に住む人々の目。
目に映る姿が胸の奥底に刻まれ、いつしか彼の地の風景を変えていきます。歴史はこうして創られるのです。君たちのこの日の活動は、間違いなく歴史に刻まれます。
重い想い・・・
12月16日(水)、今日は3年生「生活と福祉」の授業で、日本年金機構の方より年金セミナーが行われました。
人口構成の変化にともない社会保障制度が不安視される中、未来を創るみなさんにとって有益な時間であったことを望みます。
ところで先日、3年生が福島県警に合格しました。この生徒は浜通りで暮らしていましたが、10年前に起きた東日本大震災のため会津での生活を余儀なくされます。
見知らぬ土地で、地震の衝撃と将来への不安を抱えながら、中学校生活を送ります。そして、勿来高校へ入学しました。
2年生の時、進路について思い悩んでいた姿を思い出します。
震災時にみんなの力になってくれた警察官になって、自分も人の役に立つ仕事をしたい。
でも本当にそれでいいのだろうか。この仕事は強い精神力が求められる。自分にできるのだろうか。採用試験だって難しい。
自分の学力で合格できるのだろうか。涙を流しながら悩んだこともありました。
それでもこの子は決心します。警察官になろうと。問題集に向き合いました。眠い目をこすって授業に参加しました。
周りのみんなが就職を決め、ホッと一息ついている姿を横目にしつつ、踏ん張りました。
わずか17歳の子が、これほどの重い想いを秘めて築き上げてきた道ーー。
私たち大人は、もっと一人ひとりの子どもたちの来し方行く末に真摯に向き合わなければならないことを改めて教えてくれました。合格おめでとう。
65歳の方の平均余命から考えると、月25万円程度、全部で6000万円のお金がかかるそうです。年金はその時の生活費を補うものです。
子どもたちはライフサイクルを考えながら話しに耳を傾けていました。
コントロール・・・
12月15日(火)、今日は中庭の池が凍るほど寒い朝でした。来週まで学校は続きます。温かくしてすごして下さい。
期末考査後、本格的に授業が始まり、私も毎日「楽しい授業」にするにはどうすればよいのか考えます。私は歴史を担当しています。君たちに伝えたいことは山ほどあります。
ところが君たちが求めているものとは違う場合が多々ある。教科書のフランス革命の項目にマリーアントワネットは出てきますが、彼女の暮らしぶりや当時のゴシップなどは蚊帳の外。
でも先日それを授業で話したら、いつもは眠たそうな瞳が、多少見開かれていたように感じました。
ところで私は野球をやっていました。コントロールをよくするために、家の塀相手によく1人でボール投げをしていました。
その甲斐あって、チームメイトとの練習も人並みに投げることができるようになりました。でも、それって本当に自分の実力だったのかと疑問に思います。
よく考えてみると、相手が胸の前でボールをしっかりキャッチしてくれたから、結果的にそれがストライクになっただけのことではないか。
きっと授業も同じなのだと私は思います。みんなが受け止めてくれることが、成否を分けます。さらにその内容がみんなの求めるものかどうか。
そこを今後とも胸の真ん中に据えながら授業をしていきたいと思います。
この日は、1年生「数学Ⅰ」の授業に参加しました。テーマは余弦定理。先生も子どもたちもストライク目指して取り組んでいました。
10年残る仕事・・・
12月11日(金)、教師としてあと何回このような体験ができるであろうか?
今日、3年生美術選択者が、勿来の関近くにある「交流スペース勿来」に壁画を描かせてもらいにいきました。
数ヶ月前、当施設の方から校舎を共にするくぼた校へ提案がありました。
そこで、一緒にやろうではないかと、本校美術班にくぼた校の分校長先生からお声がけいただきました。
本校の美術講座は今年度で終わります。私たちは勢い立ちました。
ほとんどの子どもたちが地元に就職します。もし作品が良いものであれば、将来自分の家族を連れて見に行くことができる。
「あれ、お母さんたちが描いたんだよ」と言って・・・。
全員でデザイン画を描き、そこから2人の少女が描く作品を選びました。この一年、誰もが個性的な創作活動をしてきました。
中でも彼女たちの作品は秀逸です。しかし教室の黒板ほどもある壁面に思い通りの絵が描けるのか、当日朝、不安の表情が浮かびます。
いざ「キャンバス」に立ち向かいます。彼女たちに何かが降りてきたように、下絵なしでぐんぐんと筆を運んでいきます。
しかも他の子どもたちへ色づくりやペイントを指示しながら。
実は私も不安でした。もし適当なものになってしまったら、きっと後には残らないであろうと。しかしそれは杞憂に終わりました。
14:00完成です。あのちっぽけな画用紙に描かれた作品が、コンクリートの巨大な壁面に再現されていたからです。
声をかけてくれたくぼた校の先生方、それに応えて10年残る仕事に立ち向かった子どもたち。
私はこのような1日が生きている間に何度訪れるのかと感じるほど素晴らしいものでした。
朝と新鮮・・・
12月8日(火)、今日は朝のSHRで朝食に関するアンケートをとりました。どれくらいの子たちが朝食を楽しんでいることでしょうか。私は毎朝バナナを食べます。
昨日購入したバナナ、とてもはりがあって新鮮だと思いました。ひとり暮らしの私にとって、一房のバナナ、週末には残念なぐらい生気を失います。
でもふと思ったことがあります。「新鮮」って何だろうと。
庭の畑で採れたトマトを朝食で食べる。これは新鮮です。朝採れたレタスが八百屋さんの店先に並べられる。まあこれも新鮮でしょう。
ところが昨日買ったばかりのバナナを食べる。これは新鮮なのでしょうか。私が購入するものはほぼ東南アジアか南米産です。少なくとも数日前に収穫されたものになります。
業者の方々は様々な努力をされていると聞きます。まだ未成熟なうちに収穫、
追熟のため適度なエチレンガスを与えて、私たちの食卓にのぼる頃、食べ頃になるように保管されているそうです(Dollさんのホームページを参考にしました)。
さて私は毎朝、子どもたちの接します。それぞれの表情と足どりです。良いことなのか悪いことなのか、何があったのかは分かりません。
でも1つ言えることは、昨日とは違うということ・・・。
「新鮮」とは「今までのものとは違って新しいこと」「新しくてよごれていないこと」(学習研究社『漢字源改訂第四版』2007年より)とあります。
いろいろなことがあるでしょう。でも必ず明日はやって来ます。
次の日迎えた朝の自分は「新鮮」。そのことを心に抱き今その時を充実させましょう。
玄関脇に息づく植物たち。この日の朝も昨日とは違う顔を見せてくれました。日々これ新鮮かな。
自由から財産が・・・
12月7日(月)、今日は先日行われた生徒会役員選挙で充足されなかった書記、会計、会計監査、議長団を再び選挙で選ぶための告示が行われました。
生徒会の仕事は見方によっては面倒なものとも受けとれます。部活やアルバイト、帰宅して自由な時間を過ごす、それが制約されるわけですから。
生徒会とはそもそも何でしょうか。文部科学省が平成30年に出した『学習指導要領』によれば、
特別活動の生徒会活動の項目に「生徒が主体的に組織をつくり、役割を分担し、計画を立て、学校生活の課題を見いだし解決するために話し合い、合意形成を図り実践すること」とあります。
あくまで子どもたちが、主体的に課題を解決するために、実践することが求められています。
では課題とは何でしょうか。「制服を変えて欲しい」「校則が厳しすぎる」「自動販売機を増やして欲しい」など、今まで私自身が目にした子どもたちの訴えは様々でした。
今も同じような希望を持つ生徒はいるでしょう。ただ自由を失ってまで獲得したいことではないのかもしれませんね。
ただ3年生の面接練習で思い出を聞いてみると「体育祭」「文化祭」「ボランティア活動」と答える子たちがいます。
『学習指導要領』には生徒会活動の内容として「学校行事への協力」「ボランティア活動などの社会参画」も挙げています。
少なくとも生徒会の子たちが自由を削ってまで生み出した行事が、これから巣立つ子どもたちの財産になっているのです。
報われることが少ない仕事かもしれません。しかし多くの子どもたちの高校時代を彩る貴重な仕事だと私は思います。
放課後、生徒会室では生徒会誌編集の打合せが行われていました。卒業生にとって記念になる冊子です。生徒会のみなさんに心から感謝します。
イッピン・・・
12月4日(金)、期末考査最終日です。1年生は「保健」・「コミュニケーション英語Ⅰ」、
2年生は「コミュニケーション英語Ⅱ」・「現代文B」、3年生は選択科目(「生活と福祉」・「ファッション造形基礎」・「生物演習」・「簿記」)・「数学Ⅱ」です。
また放課後くぼた校のみなさんが製作した手作り製品の販売会が行われます。
いわき支援学校くぼた校は「生徒一人一人の実態と教育的ニーズに応じた適切な教育を行い、地域の中で自立した生活を送ることができる力を身に付けさせるとともに、
自らも地域の中で役割を果たそうとする意識、意欲をもった生徒を育成する」ことを教育目標に、社会生活する上で必要な技術の習得に励んでいます。
くぼた校のみなさんの製作した製品は、文化祭や地域の大型量販店などで販売されることがあります。10月17日(土)のくぼた校祭でも販売会が行われ、多くの保護者や関係者の方が購入されていました。
今年は感染症拡大防止のため、大々的に売り出すことができませんでしたが、子どもたちが手作りする製品にはこの世に2つとない味わいがあります。
手と心と素材が織りなす芸術品、持っていて飽きない一品です。
今日の販売会のポスター(左)と文化祭で購入したバスケット(右)。昨年は売り切れで購入できませんでしたが、今年やっと手に入れることができました。使うほどに手になじんできます。
朝食、格好つけよう・・・
12月3日(木)、期末考査3日目、1年生は「家庭総合」・「数学Ⅰ」、2年生は「日本史B」・「古典A」、3年生は選択(「地理A」・「フードデザイン」)・「国語表現」です。
いつもより早く登校し勉強する姿に微笑みを禁じ得ません。
ところで今週から各クラスに「朝ご飯を食べて期末考査を受けよう!」と題するポスターが掲示されています。
本校では1日から7日を啓発週間とし、「立派な朝食でなくても、時間がなくても、バナナ1本でもいいから、朝食を食べて登校しよう!」というメッセージが掲げられています。
みなさんはいかがですか?
私は数十年間、朝食は食パンです。理由は欧米文化への憧れです。就職するまで自宅で出してもらうご飯(白米)を、何の疑問もなく頂いていました。
ところがひとり暮らしをはじめて自分で朝食を用意することになった時、「映画で観たtoastやってみたい」と思うようになりました。
それからです。margarineやjamをつけ、coffee・sausage・fried egg・bananaと一緒に。好きなものを朝食べられると思い、夕食を食べ過ぎることはありません。
結果的に早く床に就き、早朝目覚めるため、ゆったりとしたbreakfastを迎えることができます。
栄養バランスが十分かどうか疑問です。健康ではなくファッションが動機ですから。
だだ1つだけ言えることは朝食から一日の活力と生活リズムをもらえます。「早起きは三文の得(The early bird catches the worm.)」ですね。
対話・・・
12月2日(水)、期末考査2日目、1年生が「現代社会」・「音楽Ⅰ」・「国語総合」、2年生が「保健」・「生物基礎」、3年生が「現代文」・「選択科目(教養数学、英語表現、発達と保育)」・「世界史A」です。
1日3科目受験の子たちもいますね。焦ってはいけません。問題と対話することです。
何が言いたいのか、一生懸命耳を傾けてみて下さい。
ある日の数学の時間、次のような問題が出されました。1辺が6㎝、1つの角度が60°の直角三角形を三平方の定理を利用して、他の辺の長さを出します。
教科書にはa2+b2=c2とあります。生徒は先生からアドバイスを受けます。三角形を逆さまにすると教科書と同じ向きになるから、計算式が立てやすいよと。
そして答えを導き出すのですが、答えがあいません。理由は、三角形を逆さにしたため、6が9になってしまったのです。
逆さといえば、私は日本地図を思い起こします。
日本海側が「裏日本」とよばれることに問題意識をもつ研究者が、古代以来、こちら側の方が大陸との交流が盛んであったことを視覚的に示すために、このような手法で訴えます。
日本列島がユーラシア大陸、東アジアの最東端に位置することが分かります。
ところがここに浮かぶいくつかの島について、見方を逆さまにすると、つまりどの国から眺めるかで呼び方が変わり、時に行き違いが生じます。
対話が大切です。aやbは何を表しているのか。耳を傾けて下さい。
前日放課後、3年生全員が中庭に集まって、卒業アルバムに載せる集合写真を撮りました。
朝、カワセミは1羽でやって来ましたが、今は49人の仲間たちが集います。
ラッキーはいらない・・・
12月1日(火)、今日から期末考査です。1年生は「国語総合」・「地学基礎」、2年生は「家庭総合」・「数学A」、3年生は「コミュニケーション英語Ⅲ」・「化学基礎」です。
ラッキーなことが起きない限り、努力と結果は比例します。目の前にある問題から目を背けず、乗り越えていきましょう。
思い返すと、私は失敗の連続でした。大学受験、6校も受けたのに1つとして合格通知が来ませんでした。恋愛、成就したことがありません。
でもこれで良かったと思っています。例えば偶然、記号問題が当たって合格していたら、きっと入学後、苦しむことになったでしょう。
自信の無いまま生活すればきっと周囲の雰囲気におしつぶされ、思うように振る舞うことができなかったでしょう。
もし外見を繕って、意中の相手を射とめたとします。朝起きてパジャマに寝ぐせの頭の自分をいつまで隠し通せるか・・・。
受け入れてくれる場所や人は必ず存在します。反対に、そうでない場所や人もあるでしょう。受験の失敗や失恋を、私は良い経験だったと思います。
もしラッキーなことが起こったら、きっと今頃、自分は苦しんでいたことでしょ。
今の自分を優しく受け入れてあげて下さい。そして望むべき方向があるならば、一歩ずつ努力していって下さい。
いつか、その時の自分を受け入れてくれる場所や人に巡り会うはずですから。
11月30日にくぼた校や勿来幼稚園、そして地元商店街のみなさんと、花を植えて街中に配付する作業に参加させていただきました。
勿来のみなさんは温かく私たちを受け入れてくれました。
背中・・・
11月30日(月)、明日から師走です。期末考査も始まり、忙しない毎日になりそうです。でもそんな時こそ、自分の目標に向かって、急がず焦らず一歩ずつ、歩んでいきましょう。
ところで先週の金曜日、ある3年生が、受験結果を報告しに来てくれました。看護系の学校の合格通知書をもって晴れやかに報告してくれる姿に、胸が一杯になりました。
本校ではほとんどの生徒が就職します。5月から7月にかけて、求人票を見比べながら自分の将来を模索します。
悩んだ末、企業見学の準備や履歴書に記載する志望動機に悩みます。これは多くの子が直面する共通の話題なので、友達同士でその苦労を分かち合うことができます。
ところが進学希望者は、この時期ひたすら勉強します。1学期期末考査の成績を少しでも上げるために。
来たるべき11月以降の試験日を標的に、1問でも多く問題を解けるように、と。長くて辛い道のりです。しかもその苦労を分かち合う友人も少ない。
クラスのみんなが就職についてあれこれ話す様子を背中で受け止めながら、この子は必死で机に、参考書に、問題集に向かい続けました。
弱音を吐きたくなることもあったでしょう。気持ちがぐらつくこともあったでしょう。でもこの子は踏ん張った。尊敬します。
友達はいいものです。支え合いながら、時間を共有できる仲間です。でも流されていいものではありません。人生の主役はあくまであなたです。脇役であってはならないのです。
朝6時半、毎日学校の中庭にある池に「カワセミ」がやってきます。清流にすむイメージの強い鳥ですが、いわき市では人家のある川沿いや池でも見られるようになってきました。
警戒心が強く、数分後には姿を消します。きっと池の魚を食べて、寒い冬を必死で生きているのでしょう。1羽でも・・・。
ボディーランゲージ・・・
11月25日(水)、生憎の雨模様・・・。一雨ごとに寒さがつのります。風邪引かないようにね。
ところでここ数日朝のニュース番組で「NiziU」という言葉を耳にします。
調べてみると、日韓合同オーディションプロジェクトで選ばれた9人の女性グループだということ。彼女たちの「縄跳びダンス」がはやっているといいます。
はやった踊りといえば80年代のディスコ、90年代のクラブ、DJが場を盛り上げながらR&Bやユーロビートに合わせて踊る姿が目に浮かびます。
ツイスト、パラパラ、ヒップホップなどいろいろなダンスがありました。
ところで、会津の湯川村には「念仏踊り」というものがあり、毎年4月28日に開催され、県の重要無形文化財にも登録されています。
私は何度も練習に参加させていただきました。夜遅く、地域の方々が仕事の疲れも忘れ、子どもたちに踊りやお囃子を教える姿が感動的でした。
阿波踊りやよさこい、さんさ踊りやじゃんがら念仏踊りなど各地に伝統的な踊りが伝わります。
親から子へ、子から孫へと伝えられた踊りで、地域の人々の心を熱くさせます。きっと踊りは人にとって特別なもの、必要なことなのだと思います。
なぜなのか・・・それは分かりません。でもみんなで踊ると、独特な高揚感を味わえることは確かです。
社会は複雑です。時には心身ともに疲れてしまうことがあるでしょう。そんな時こそ踊りましょう。
新しい道が開けるかもしれません。ただし・・・踊らされてはいけませんよ!
いわき市障害福祉課から手話通訳の方をお招きし、3年生「生活と福祉」の授業で、講義をしていただきました。
実際にスピーチを手話通訳していただいたり、手話を用いて自己紹介したりと、充実した時間を過ごしました。
DANCE・・・
11月24日(火)、3連休が終わりました。来週火曜日から期末テストが始まります。忙しくなりそうです。連休中、英気を養うことができましたか?
連休中、私はある言葉に出会いました。
「素人だった自分は、『歌を唄う』というものさえわからず、苦労した事ももちろんあったし。だけど、それと向き合い闘って乗り越えた自分もいます。」
(TRF15th Anniversary BEST MEMORIES所収YUーKIさんの言葉より)
90年代に大活躍したアーティストの方が、15周年を迎えた気持ちを綴られたもの。当時は何も知らずに聴いたり踊ったりしながら楽しんでいました。
しかしそんな想いを知ってから、みなさんの作品を聴いてみました。涙が出ました。
自分の子どもと変わらない若い彼らが、音楽会社を背負って、これまでにないカタチのsound,song,danceを創り出してくれたのだなあと、心が抉られたからです。
実は同じような感覚を私は毎日のように抱いています。連休明け、仲良く登校する姿。近く期末テスト対策に課題を提出する姿。久しぶりに会った友だちとはしゃぐ姿ーー。
そんな一生懸命に生活する君たちの姿は、有名人に劣るところがありません。現実と向かい合い、乗り越えようとしているのですから。
忘れないでくださいね。君たちは日々、人に感動を与えているということを。
実存・・・
11月19日(木)、今日は1年生「コミュニケーション英語Ⅰ」の授業を参観しました。テーマは「There isとThere are」。
山あいから流れる1本の川、そこに泳ぐ魚たち、川のほとりには1軒家があります。屋根の上ではネコたちが昼寝をしています。
近くには木の下に熟したリンゴがいくつも落ちています。先生が手作りでこさえたシート。これを子どもたちは英語で表現します。
単数と複数の違いや否定文にしたときのルールなど、少しでも分かりやすくしようと絵で訴えます。
私がまずこの授業で思いだしたことは『あり おり はべり いまそがり』です。いわずとしれた「ラ行変格活用」。
受験生の頃、呪文のように唱えた記憶がよみがえります。
どれも「いる」「ある」という意味内容で、受験勉強中だった私は「英語ではThere isとThere areか」などと想像を巡らしたことがあります。
「いる」「ある」という言葉はとても重要なワードだと思っています。それは存在を意味する言葉だからです。人は誰でも迷い、惑います。
今自分がどこにいるのか、どこに進めばよいのか不安になります。でも、よく考えてみて下さい。悩もうが悔やもうが、今君たちは確かにそこに「いる」のです。
忘れないで下さいね。君たち一人ひとりがかけがえのない「存在」であることを。
輝き・・・
11月18日(水)、今日は学校評議員の方が来校され、授業の様子を観ていただきました。
「みんなかわいい文字をかきますね」「授業でこんなことまで学ぶのですね」「今の子は運動が苦手そうですね」など子どもたちの普段の顔を見てもらいました。
私は毎日、みんなと接しています。「いつもの文字」「いつもの授業内容」「いつもの体力(学力)」という印象でしかありません。
だから今回頂いたご意見やご感想は、とても新鮮でした。社会に出ると求められる文字や体力、知識や技術があり、まだまだ学校ではそれらを上手に伝え切れていないのだなと。
ただし、君たちには社会で輝くことのできる原石があります。決して見かけやテストの成績だけでは測ることのできない輝きの源。
それは独特の感性やニッチな知識、ダンスや演技の実力などかもしれません。毎日接しているからこそ、それだけは感じ取ることができます。
でも原石は磨かないと光り輝きません。光り輝いてこそ社会の中で自分の存在をしらせることができます。
社会が君たちに求める姿を真摯に受け止めつつ、自分自身の光で社会を照らす努力を忘れないで下さい。
振り返れば思い出に・・・
11月17日(火)、今日は1年生の「音楽Ⅰ」の授業を参観しました。授業の冒頭、2週間後に迫った期末テストの説明が行われました。
井上陽水さんの『少年時代』について。ハミング・造語・楽譜について問われるそうです。さらにお琴の歴史や各部の名称、そして演奏です。
以前、どちらも授業の様子を紹介しました。早いものです。もうまとめの時期ですね。
1年生は入学後すぐ長い期間、学校に来ることができませんでした。担当の先生方も、せっかく出会えた君たちの顔を見ることができず、寂しそうでした。
6月から通常授業に戻りました。ただ、楽しいお昼休みもおしゃべりしながら食べることができません。
せっかく入学した学校の校歌を大声で歌うことすらはばかられるような生活でした。
でも新しく出会えた友人たち。制約はありながらも親しくなりました。でも慣れていくにつれ、不安や心配事、トラブルにも遭遇したことでしょう。
その都度苦しみながらも、遠足や文化祭・体育大会などをへて、クラスの色ができあがったのではないでしょうか。
先生方も遅くまで君たちの話を聞いてくれましたね。
昨日食べたいつもの夕食は思い出になりにくい。でも本を見ながら包丁を振るった料理は、昔語りになります。
一歩ずつ・・・、君たちが積み重ねた114日間が証明しています。
歴史の創造者・・・
11月13日(金)、文化祭・体育大会が終わりました。祭りの後・・・、週末ともあってそこはかとない雰囲気が漂います。
特に最後に行われた男女混合リレーは大変盛り上がりました。抜きつ抜かれつのデッドヒート、飛び交う声援、ゴール直後に倒れ込む姿とそれを介抱するクラスメートーー。
ほとばしる青春の汗が、どうして感動を呼び起こさずにいられましょうか。
帰り際、くぼた校の先生からお言葉を頂きました。
「リレー拝見しました。盛り上がりましたね。」
「くぼた校の子どもたちと一緒にできるといいですね。」
「お互い励みになりますね。」そんな会話でした。
また普段事務室で私たちの教育環境整備に力を尽くしてくださる主事の方からです。
「僕、感動しました。みんなが一致団結して応援しあう姿に・・・。早く僕も自分の子どもの運動会に行きたいです。」
直向きな姿勢は感動を生み出します。感動は人を動かします。時にその人の人生や社会を変えます。
君たち一人ひとりが歴史を創る主人公であることを忘れずに。私たちにとって、君たちは大切な大切な宝物ですからね。
いつも爽やかで優しい笑顔を絶やさない事務の方。遅くまで仕事をされていますが、ご自分で料理をお作りになるそうです。
数字は怖くない・・・
11月10日(火)、この日たまたま授業で30%の食塩水と50%の食塩水とを混ぜると何%になるか、という話になりました。
昔、何度も出会った問題だなあと思い、子どもたち何人かに聞いてみました。ところが今の彼らにとっても難問――。
すっきりと答えが出ません。そこで、授業が終わってから、頭を整理しながら考えました。
どちらも食塩水100gだとして、30%には30g、50%には50gの食塩が入っていて、それを足します。
つまり100g+100g=200gのなかに、30g+50g=80gの食塩が入っています。
食塩水全体が200gの中に80gの食塩ですから、80÷200×100=40%となります。
「30%と50%だから80%?」「3割引と30%は一緒?」よく考えれば違うことがわかります。ところが目の前の数字は、時に私たちを惑わせます。
全体像を思い描いてください。食塩水の量は増えています。単位が異なります。
慣れないものや理解が不十分なことにたいして我々は冷静さを失うことがあります。だからこそ経験と学習が必要なのです。
何事にもチャレンジしてください。きっと不安や恐れが遠ざかっていきますよ。
1年生「現代社会」の授業。統計資料を冷静に読み解く力をつけてくださいね。
違和感から逃げないで・・・
11月2日(月)、早朝勿来駅でPTAの方々が、挨拶運動をしてくださいました。勿来へ来る人、勿来から行く人と、色とりどりの学生服から「おはようございます」との言葉が行き交います。
今日は1年生の数学の授業に参加しました。「三角比の相互関係」が主題です。「sinA」を「cosA」で割ると「tanA」となる。
何かを発見した時にもつわくわくした気持ちがわき上がりました。ただ生徒にとってこの3つの単語は、身近でない分、発見の感動を味わうにはもう一歩という子もいました。
ところで書名は忘れてしまいましたが、アナール学派の本で、イギリスの「public」「inn」が歴史に大きな影響を及ぼしたことが書かれていました。
仕事を終えた労働者や町を渡り歩く商人、様々な思想や情報が飛び交い伝播していく場所でした。それらがうねりとなって人を動かし時代を変えます。
今はその役割をSNSが果たしているようです。アフリカ北部で起きた革命や東アジアの民主化運動、アメリカ大統領選ではツイッターなどが用いられているようです。
情報によって社会は変わります。英雄や大事件は情報がもたらした人々のうねりのようなものが生み出したものにすぎないでしょう。
対話を疎かにしないでください。親近感のわかない言葉や意見にこそ耳を傾け、冷静な行動をとることのできる人になってくださいね。
数学の先生は、「sin」「cos」「tan」を分かりやすく説明するために、それぞれ黄、赤、青で板書してくれました。違和感を乗り越えてくれるよう祈ります。
連なり・・・
10月28日(水)、昨日の朝、昇降口に立っていると、扉を消毒する人影が目に入りました。
そういえば5月雨の降りしきる朝、同じく昇降口にあるいくつものプランターに、傘を差しながら、泥まみれになって花の苗を植える姿が目に映りました。夏の盛り、みなさんを出迎えた花はここから始まりました。
実は昨年の夏、休日に用事があって学校に行きました。校舎の周りを歩いていると、東門前の花壇を整備している人がいました。
「どうしたんですか?」「時間のあるときにきれいにしようと思って!」と笑顔で答えてくれました。
くぼた校の先生です。みなさんは勿来高校に通っています。昇降口の花に迎えられ、きれいになった扉に手をかける。眠い目をこすりサンダルをはき、教室について1日の準備をする。
6時間目が終われば、開放感に満たされて、昇降口の植物に別れを告げる。
私たちは1人で生活しているのではありません。普段意識しないところで、誰かにお世話になっています。実は君たちの何気ない普段の言動が、どこかで誰かに影響を与えていることでしょう。
みんなの小さな誠意がつながり合って、社会を成り立たせています。「私なんて」と絶対に思わないで下さい。あなたこそ人生の主役です。
1年生「家庭総合」の授業で、妊婦さんの体験をしました。ベッドから起きるだけでも、どれほど大変なことなのか、共感できましたか?