今日の勿来高校

恋文・・・

1月28日(木)、3年生学年末考査3日目です。1校時が「子どもの発達と保育」・「教養数学」、2校時が自習、3校時が「コミュニケーション英語Ⅲ」です。

 

ところでこの日、1年生3校時の国語総合の授業では、『伊勢物語』に載る「筒井筒」の学習が行われました。

まずはあらすじを振り返ります。幼なじみとして育つ男女、成長するにつれ、互いに恋心が芽生えます。

ところが親は反対、それでも二人は想いを通じ合わせようと和歌を贈り合います。

 

男が「筒井筒 井筒にかけしまろがたけ 過ぎにけらしな 妹見ざるままに」と贈り、

女は「くらべこし 振り分け髪も肩過ぎぬ 君ならずして たれかあぐべき」と返します。

(現代語訳が気になる人は教科書、インターネットでぜひ調べてみて下さい。)

胸がキュンとしますね。私は国語を専門にしませんが、学生時代授業で暗唱させられた覚えがあります

今でも口にすることができますが、あらためて授業に参加し、この歌を味わうことができました。

 

何百年も前の人のよんだ歌です。生活様式や価値観、使う言葉すら違います。ところが人を思う気持ちというのは、時代を超えて共有できるものですね。

 

ところが10代の高校生と50代の大人の感じ方もまた変化する。文学の力にシャッポを脱ぎます。

その感覚を先生は、現代と比較されながら授業を進めておられました。

ちなみに子どもたちによると、今の恋文は「LINE」や「mail」だそうです。

nacoro

1月27日(水)、3年生学年末考査2日目です。1校時に「世界史A」、自習をはさんで3校時に「化学基礎」でした。採点するのが楽しみです。

ところで今日の昼休みに、家庭クラブのみなさんが、被服室で作業をしていました。

例年くぼた校の子どもたちが、近くの大型小売店で販売するために製品作りをします。

 

その作業に本校生徒もお手伝いさせていただき「nacoro」というブランド名で売り出します。

ところが現在、感染症拡大のため、小売店での販売実習が行えません。

そこで今回はカタログによる注文販売という形式にして、学校内に製品が欲しい人がいれば、注文票を両校交流の場所である「nacoro広場」に設置した箱に入れるというものです。

 

その際、なかなか写真だけでは伝わらない商品の魅力を、くぼた校の子たちが写真や動画を交えたPR映像とし、この広場で廊下を行き交う人々に放映します。

本日の家庭クラブが行った活動も、PR動画作成の一環です。

ここでは、他の学校ではできない体験が毎日のように繰り広げられます。私はここでくぼた校や勿来高の子どもたちと共に生活できたことを誇りに思います。

裏の裏の表・・・

1月26日(火)、今日から3年生学年末考査です。1校時「国語表現」、2校時「生活と福祉」・「ファッション造形基礎」、3校時「数学Ⅱ」にそれぞれ挑戦です。

欠席者もなくみんなそろってラストテストのスタートです。

 

ところで先日あるテレビドラマに「辻占」という言葉が出てきました。江戸時代に町の辻に立って占いをすることです。

人々が行き交う街角は、いわば当時のパワースポットです。道祖神が祀られ行き交う人々の安全を見守ります。

ただテレビは現代劇です。確かに昭和50年代頃の古い作品ではありますが、街頭ではなく、レストランでフォーチュンクッキーを食べる場面での台詞です。

 

つまり、この言葉は占いと同様に使っていたと想像できます。

 

さらにこの言葉を調べている内に「口裏」という語句に突きあたりました。この「裏」は「占」が由来だといいます。

意味は『言葉や、話し振りに隠されているもの。(小学館現代国語例解辞典より)』とあります。でも私にはどうしても解せません。

いわば本当にいいたいことや伝えたいことが「裏」であって「表」でないことに。

まあそうかもしれませんね。「占」は、自分が気づかないことを告げてくれます。

ならば「裏」は表現できなかった思いを表すのかもしれません。表なのか裏なのか、「口裏を合わせる」って難しいですね。

この日5時間目に2年生が英語の授業を受けました。辻井伸行さんに関する文章でした。

「心の目」で豊かさを味わう力。だからこそ彼の音曲は裏がないのでしょう。

振り返るな・・・

令和3年1月25日(月)、3学期が始まって2週間、今日は3年生が最後の授業を受けました。

しばらくぶりに文章を書きます。この間、もし前の文章を読み返し、そして行動に移してくれた人がいれば幸いです。言葉は偉大です。でも動かなければ何も変わりませんよ。

 

さて明日から4日間にわたり、3年生の学年末考査が始まります。それが終わると2月1日から自宅学習です。そして3月1日が卒業式。そしてそれぞれの道を歩んでいきます。

私は時々、成長した卒業生と会うことがあります。そんな時、なぜか寂しさを感じます。

私は君たちと接することが仕事であり生きがいです。だから、当時のことがよみがえり懐かしくて仕方がない。いわば過去に生きているからではないでしょう。

ところが卒業した子どもたちは、職場や家庭、恋人やファッションに全力投球です。自分の力で、必死に生きるための空間を創り上げている。

 

いわば今を生き、未来を創造しています。過去は今の自分を創り上げました。でも未来を創り上げるのは、今の自分なのですから。

私は思います。生徒に忘れられる先生になろうと。過去を振り返らず未来に目を向けて、その時を懸命に生きられる、そんな人生を歩んでください。

 3年生6校時最後の授業。君たちに幸おおからんことを祈ります。

クラゲの採集と飼育(理科研究部)

12月24日(木)、本校理科研究部はクラゲ採集するため、勿来漁港をはじめ近隣の漁港へ行きました。

 勿来漁港ではサビキウリクラゲBeroe mitrataカブトクラゲBolinopsis mikadoの2種を採集しました。学校に持ち帰り、早速職員玄関前に展示しました。

どちらのクラゲも櫛板(しつばん)とよばれるスジが有り、光に反射してキラキラしています。

 

サビキウリクラゲは他のクラゲを捕食するそうで、翌日、翌々日とクラゲの数が減り、年明けの水槽には全く見当たらなくなってしまいました。

 

今回採取した2種のクラゲはポリプを形成せず世代交代しないクラゲの仲間(有櫛動物)なので、一部はまた小さなプランクトンに戻って、水槽中を漂っているのかもしれません。

次回は1月11日にクラゲ採集の予定です。次は一体どんなクラゲが学校に来るのでしょうか?

視点を変える・・・

12月23日(水)、2学期終業式です。頑張りました!

終業式は放送で行われました。まず理科研究部「蛭田川と四時川(2)河川の比較と自浄作用について」で優良賞を受賞、英語・漢字・数学各検定に合格で呼名されました。

 

続いて校歌が演奏された後、校長先生のお話です。

各クラスの黒板には高級外車の写真が貼られています。2人乗りで1,500万円ほどだそうです。

校長先生は担任の先生を通じて生徒のみなさん全員にクリスマスプレゼントを配ります。ふりかけでした。150袋で税込み2,500円だそうです。

2つを比べてみると、車の方が価値あるように思われます。ところが1グラムあたりの値段を比べると、高級外車は8円ふりかけは11円です。

一見、価値あるモノに見える物事も視点を変えると変化する。つまり人によって価値観は様々だ。

社会にでて、人と衝突することがあったら、ふりかけを見て、相手の気持ちを理解するよう努力して欲しい。そう校長先生は子どもたちへメッセージを送りました。

衝突を繰り返すことでしか価値観の違いは明確になりません。でも衝突はエネルギーがいる、面倒な事柄です。避けて通った方が楽です。

でもね、きっとそれを乗り越えたときに互いの価値観を尊重できる間柄になるはずです。怖いですよね。でも大丈夫です。君たちはひとりじゃありませんから。

ホームルーム教室で行われた終業式の様子。

この日3年生は卒業アルバムに載せるクラスの集合写真を、正門前で撮りました。

本物・・・

12月22日(火)、明日いよいよ2学期終業式です。本日は今年を締めくくる最後の授業の日となります。1年を振り返ってみて、みなさんどのような総括をしますか?

今年は3月から断続的に臨時休校がありました。リズムを崩されてもなお、ここまで学び通した君たちに頭を下げます。

 

ところで最近、デイヴィッド・B・モリスさんの『痛みの文化史』(紀伊國屋書店1998年)を読み始めました。痛みは人や時代、立場や状況によって異なるというものです。

私たちは生物学的にどこかに原因があって、痛みを生じると考えます。

ところがその刺激というか病原が同じであっても人によって感じ方が違うと言うことを、歴史的にひもときます。とても興味深い内容でした。ぜひ読んで欲しいと思います。

その中に次のような文章がありました。痛みを訴えている人に、薬だといって砂糖の塊を飲ませたり、白衣を着た人に診療してもらうと、痛みが治まると。

私にも経験があります。この状況を私たちは「偽薬」「偽医者」と表現しがちです。でも私は著者の文章を読んでいくうちに、こう感じました。痛みが治まったのなら、それは「本物」ではないかと。

君たちにとって「本物」って何だろう?高級ブランドを身につけること、有名企業に就職すること、預金の大きさ・・・。

私はこう思います。「痛くない」「快適」な生活、それをもたらしてくれるヒトやモノが「本物」であると。一生を通じてそれを探してみませんか?

 

この日、1年生は英語の時間に、先生方のことを英語で紹介しました。

きれいにシートへまとめたことを、懸命に覚えてスピーチする姿が印象に残ります。この一瞬の輝きこそが「本物」です。

いるだけで・・・

12月21日(月)、今週水曜日に2学期終業式を迎えます。三年生は社会に出る前の貴重なお休みです。来たるべき見合いに向けていろいろと考える時間にして下さい。

ところで、社会人になってもし会社の同僚から「何かあったらいつでも言ってね。手伝うから。」と言われたらみなさんはどんな気持ちになると思いますか。

相手の思いやりに感動するかもしれませんね。

ところが私は違いました。実は何度かそういう場面に遭遇しました。でもいつも虚しく感じるのです。仕事って明日も明後日もずっと続きます。

悩みやアクシデントって、これからも起き続けるでしょう。でも大人ですから逃げるわけにはいきません。

自分で乗り越えるしか、不安を解消する手段はありません。その時だけ言葉をかけられても・・・と思ってしまいます。

安心感をもって生活できる環境って、きっといつでも、どこかで、誰かが見守ってくれていることだと思います。

確かに同僚の言葉は好意から発せられたものです。でも「その時」「その場」だけのもの。

あなたの存在だけで人はホッとするものです。だから言葉が空回りしないためにも、日々誠実に暮らしましょう。特別な言葉や行動は必要ありません。

「あの人がいつでもいてくれるから」と、思われるような人になって下さいね。

 

この日3年生国語表現の授業では、グループに分かれて「いわき市の魅力を伝えよう」と題し、プレゼンテーションが行われました。

あらためて地元の良さを再発見できたのではないでしょうか。

支え合い・・・

12月18日(金)、1年生は3,4校時に「共生プログラム」の一環として、くぼた校で作業学習を体験しました。

また2年生は5,6校時に進路ガイダンスとして、企業で採用を担当する方からお話を伺いました。

「挨拶ができる」「コミュニケーションがうまい」「やる気がある」

これが企業の求める人材だそうです。お話くださった企業は、製造業です。

しかし社員のおよそ3分の1は、高校の普通科出身だといいます。現場では、工業高校では扱うことのなかった機械も多く、ほとんどの新入社員に一から教えていくそうです。

その場面では、人と人とが知識や技術をやりとりすることが中心となります。挨拶されて嫌な思いをする人はいません。

また、言葉のキャッチボールがスムーズだと、作業もはかどることでしょう。さらに、仕事を「好きだ」という思い「覚えよう」とする情熱が、技術の習得を早めます。

結果的に、効率が上がり、企業の生産性向上につながるのです。

 

では企業は高効率による利益だけを目的に、新入社員を求めているのでしょうか?仕事の成功は成果をもたらします。ではその成果とは何でしょうか。

私は2つあると考えます。1つは経済的成果。

もう1つが達成感。こちらは上司から褒められたり、同僚と共有できたり、家族に自慢できたりと、相手がともないます。つまり人の支えなのです。

企業はみんなで協力することで生産性を向上させます。だからこそ、支え合いながら働ける人を望んでいるのではないかと感じました。

姿と目・・・

12月17日(木)、昨日放課後、今年最後の駅前清掃ボランティアが行われました。通称「関の子ボランティア」です。

地域の方々が勿来駅前の環境整備に活動されており、そのお手伝いを毎週水曜日にさせていただいています。

 

昨日の参加者は生徒会の生徒を中心に6名でした。また同じ活動をくぼた校の生徒も行っています。こちらは15名が参加しました。

勿来高校の子どもたちはトイレを、くぼた校の子どもたちは駅周辺のゴミ拾いを担当しました。

この日はこの冬初めての寒波に見舞われたため、寒風吹きすさぶ中、冷たい水に手をぬらし懸命に励む姿が痛々しくもありました。

 

おそらくトイレは明日には再び汚れます。次の日にはゴミもきっと落ちているでしょう。では君たちの努力は虚しいものなのか?違います!

駅前の関の子広場で毎日子どもたちを見守ってくれる地域の人々の姿、毎週トイレを掃除する高校生の姿、

周辺のゴミを拾うことで清潔に保とうとする子どもたちの姿。駅を使う人々の目、

彼らを迎えに来る人々の目、周辺に住む人々の目。

目に映る姿が胸の奥底に刻まれ、いつしか彼の地の風景を変えていきます。歴史はこうして創られるのです。君たちのこの日の活動は、間違いなく歴史に刻まれます。

重い想い・・・

12月16日(水)、今日は3年生「生活と福祉」の授業で、日本年金機構の方より年金セミナーが行われました。

人口構成の変化にともない社会保障制度が不安視される中、未来を創るみなさんにとって有益な時間であったことを望みます。

 

ところで先日、3年生が福島県警に合格しました。この生徒は浜通りで暮らしていましたが、10年前に起きた東日本大震災のため会津での生活を余儀なくされます。

見知らぬ土地で、地震の衝撃と将来への不安を抱えながら、中学校生活を送ります。そして、勿来高校へ入学しました。

2年生の時、進路について思い悩んでいた姿を思い出します。

震災時にみんなの力になってくれた警察官になって、自分も人の役に立つ仕事をしたい。

でも本当にそれでいいのだろうか。この仕事は強い精神力が求められる。自分にできるのだろうか。採用試験だって難しい。

自分の学力で合格できるのだろうか。涙を流しながら悩んだこともありました。

それでもこの子は決心します。警察官になろうと。問題集に向き合いました。眠い目をこすって授業に参加しました。

周りのみんなが就職を決め、ホッと一息ついている姿を横目にしつつ、踏ん張りました。

わずか17歳の子が、これほどの重い想いを秘めて築き上げてきた道ーー。

私たち大人は、もっと一人ひとりの子どもたちの来し方行く末に真摯に向き合わなければならないことを改めて教えてくれました。合格おめでとう。

 65歳の方の平均余命から考えると、月25万円程度、全部で6000万円のお金がかかるそうです。年金はその時の生活費を補うものです。

子どもたちはライフサイクルを考えながら話しに耳を傾けていました。

県大会優良賞をいただきました!(理科研究部)

12月12日(土)に開かれた福島県生徒研究発表会に本校理研部が参加しました。

今年度は新型コロナ感染症予防のため、動画での参加、審査となりました。

厳正な審査の結果、本校理科研究部が発表した「蛭田川と四時川(2)~河川の比較と自浄作用~」が地学部門 優良賞をいただきました。(☞発表論文、口頭発表資料はコチラ)県大会入賞は約12年ぶりの快挙です!

 

松本部長のコメント

「今までの先輩方の研究や今年入ってくれたメンバーと一緒に活動した結果で賞が取れたと思っています。

来年はさらに上の賞が取れるように努力していきたいと思います!」

深谷副部長のコメント

「水質調査の合間に水遊びするなかで、今回発表のメイン、粘土鉱物を見つけました。

これからも自然に踏み込んだ調査を続けていきたいです。」

鈴木庶務のコメント

「私は2年生インターンシップにも参加していたため、研究発表会の練習との両立は大変でしたが、なんとかやってこれました。

県大会で良い結果を出せて嬉しかったです。」

コントロール・・・

12月15日(火)、今日は中庭の池が凍るほど寒い朝でした。来週まで学校は続きます。温かくしてすごして下さい。

期末考査後、本格的に授業が始まり、私も毎日「楽しい授業」にするにはどうすればよいのか考えます。私は歴史を担当しています。君たちに伝えたいことは山ほどあります。

ところが君たちが求めているものとは違う場合が多々ある。教科書のフランス革命の項目にマリーアントワネットは出てきますが、彼女の暮らしぶりや当時のゴシップなどは蚊帳の外。

でも先日それを授業で話したら、いつもは眠たそうな瞳が、多少見開かれていたように感じました。

 

ところで私は野球をやっていました。コントロールをよくするために、家の塀相手によく1人でボール投げをしていました。

その甲斐あって、チームメイトとの練習も人並みに投げることができるようになりました。でも、それって本当に自分の実力だったのかと疑問に思います。

よく考えてみると、相手が胸の前でボールをしっかりキャッチしてくれたから、結果的にそれがストライクになっただけのことではないか。

 

きっと授業も同じなのだと私は思います。みんなが受け止めてくれることが、成否を分けます。さらにその内容がみんなの求めるものかどうか。

そこを今後とも胸の真ん中に据えながら授業をしていきたいと思います。

この日は、1年生「数学Ⅰ」の授業に参加しました。テーマは余弦定理。先生も子どもたちもストライク目指して取り組んでいました。

10年残る仕事・・・

12月11日(金)、教師としてあと何回このような体験ができるであろうか?

今日、3年生美術選択者が、勿来の関近くにある「交流スペース勿来」に壁画を描かせてもらいにいきました。

 

数ヶ月前、当施設の方から校舎を共にするくぼた校へ提案がありました。

そこで、一緒にやろうではないかと、本校美術班にくぼた校の分校長先生からお声がけいただきました。

本校の美術講座は今年度で終わります。私たちは勢い立ちました。

ほとんどの子どもたちが地元に就職します。もし作品が良いものであれば、将来自分の家族を連れて見に行くことができる。

「あれ、お母さんたちが描いたんだよ」と言って・・・。

全員でデザイン画を描き、そこから2人の少女が描く作品を選びました。この一年、誰もが個性的な創作活動をしてきました。

中でも彼女たちの作品は秀逸です。しかし教室の黒板ほどもある壁面に思い通りの絵が描けるのか、当日朝、不安の表情が浮かびます。

いざ「キャンバス」に立ち向かいます。彼女たちに何かが降りてきたように、下絵なしでぐんぐんと筆を運んでいきます。

しかも他の子どもたちへ色づくりやペイントを指示しながら。

実は私も不安でした。もし適当なものになってしまったら、きっと後には残らないであろうと。しかしそれは杞憂に終わりました。

14:00完成です。あのちっぽけな画用紙に描かれた作品が、コンクリートの巨大な壁面に再現されていたからです。

声をかけてくれたくぼた校の先生方、それに応えて10年残る仕事に立ち向かった子どもたち。

私はこのような1日が生きている間に何度訪れるのかと感じるほど素晴らしいものでした。

地球は君たちで・・・

12月10日(木)、来週月曜日14日に避難訓練が行われます。この日は3年生に避難の練習をしてもらいました。

昨日まで全クラスに同じ講義が行われました。いつもの訓練とは違い「要配慮者避難支援」を行うためです。

 

これは災害時に高齢者、乳幼児、妊産婦、外国人、障がいを持つ方などとともに、安全に避難することを目的としています。

歩けない方は毛布で簡易担架をつくり10数人で慎重に運びます。

視力が十分でない方には、寄り添いながら一緒に歩行します。

耳の不自由な方には、筆記によって安心して避難していただくように配慮します。

1年生から3年生までの6クラスの生徒全員が、一生懸命に取り組んでくれました

 

近年災害が多発しています。環境の変化でしょうか急な豪雨や洪水が散見されます。また日本列島周辺で巨大地震が起きる可能性が大きいとも取りざたされています。

そのような日本社会の現状の中、きみたちは近い将来社会に出ることになります。そこでは多様な人々と生活空間を共にします。

いつ何時、災害に見舞われるか分かりません。そんな時、ウルトラマンが来てくれればいいのですが、彼は忙しくてきてくれないかもしれない・・・。

だから、私たち一人ひとりが力を合わせて、1人でも多くの命を見つめていきませんか?私は思います。小さな正義が地球を救うと。

朝と新鮮・・・

12月8日(火)、今日は朝のSHRで朝食に関するアンケートをとりました。どれくらいの子たちが朝食を楽しんでいることでしょうか。私は毎朝バナナを食べます。

昨日購入したバナナ、とてもはりがあって新鮮だと思いました。ひとり暮らしの私にとって、一房のバナナ、週末には残念なぐらい生気を失います。

でもふと思ったことがあります。「新鮮」って何だろうと。

庭の畑で採れたトマトを朝食で食べる。これは新鮮です。朝採れたレタスが八百屋さんの店先に並べられる。まあこれも新鮮でしょう。

ところが昨日買ったばかりのバナナを食べる。これは新鮮なのでしょうか。私が購入するものはほぼ東南アジアか南米産です。少なくとも数日前に収穫されたものになります。

業者の方々は様々な努力をされていると聞きます。まだ未成熟なうちに収穫、

追熟のため適度なエチレンガスを与えて、私たちの食卓にのぼる頃、食べ頃になるように保管されているそうです(Dollさんのホームページを参考にしました)。

さて私は毎朝、子どもたちの接します。それぞれの表情と足どりです。良いことなのか悪いことなのか、何があったのかは分かりません。

でも1つ言えることは、昨日とは違うということ・・・。

「新鮮」とは「今までのものとは違って新しいこと」「新しくてよごれていないこと」(学習研究社『漢字源改訂第四版』2007年より)とあります。

いろいろなことがあるでしょう。でも必ず明日はやって来ます。

次の日迎えた朝の自分は「新鮮」。そのことを心に抱き今その時を充実させましょう。

 

玄関脇に息づく植物たち。この日の朝も昨日とは違う顔を見せてくれました。日々これ新鮮かな。

自由から財産が・・・

12月7日(月)、今日は先日行われた生徒会役員選挙で充足されなかった書記、会計、会計監査、議長団を再び選挙で選ぶための告示が行われました。

生徒会の仕事は見方によっては面倒なものとも受けとれます。部活やアルバイト、帰宅して自由な時間を過ごす、それが制約されるわけですから。

生徒会とはそもそも何でしょうか。文部科学省が平成30年に出した『学習指導要領』によれば、

特別活動の生徒会活動の項目に「生徒が主体的に組織をつくり、役割を分担し、計画を立て、学校生活の課題を見いだし解決するために話し合い、合意形成を図り実践すること」とあります。

あくまで子どもたちが、主体的に課題を解決するために、実践することが求められています。

では課題とは何でしょうか。「制服を変えて欲しい」「校則が厳しすぎる」「自動販売機を増やして欲しい」など、今まで私自身が目にした子どもたちの訴えは様々でした。

今も同じような希望を持つ生徒はいるでしょう。ただ自由を失ってまで獲得したいことではないのかもしれませんね。

ただ3年生の面接練習で思い出を聞いてみると「体育祭」「文化祭」「ボランティア活動」と答える子たちがいます。

『学習指導要領』には生徒会活動の内容として「学校行事への協力」「ボランティア活動などの社会参画」も挙げています。

少なくとも生徒会の子たちが自由を削ってまで生み出した行事が、これから巣立つ子どもたちの財産になっているのです。

報われることが少ない仕事かもしれません。しかし多くの子どもたちの高校時代を彩る貴重な仕事だと私は思います。

放課後、生徒会室では生徒会誌編集の打合せが行われていました。卒業生にとって記念になる冊子です。生徒会のみなさんに心から感謝します。

イッピン・・・

12月4日(金)、期末考査最終日です。1年生は「保健」・「コミュニケーション英語Ⅰ」、

2年生は「コミュニケーション英語Ⅱ」・「現代文B」、3年生は選択科目(「生活と福祉」・「ファッション造形基礎」・「生物演習」・「簿記」)・「数学Ⅱ」です。

また放課後くぼた校のみなさんが製作した手作り製品の販売会が行われます。

 

いわき支援学校くぼた校は「生徒一人一人の実態と教育的ニーズに応じた適切な教育を行い、地域の中で自立した生活を送ることができる力を身に付けさせるとともに、

自らも地域の中で役割を果たそうとする意識、意欲をもった生徒を育成する」ことを教育目標に、社会生活する上で必要な技術の習得に励んでいます。

くぼた校のみなさんの製作した製品は、文化祭や地域の大型量販店などで販売されることがあります。10月17日(土)のくぼた校祭でも販売会が行われ、多くの保護者や関係者の方が購入されていました。

今年は感染症拡大防止のため、大々的に売り出すことができませんでしたが、子どもたちが手作りする製品にはこの世に2つとない味わいがあります。

手と心と素材が織りなす芸術品、持っていて飽きない一品です。

 

今日の販売会のポスター(左)と文化祭で購入したバスケット(右)。昨年は売り切れで購入できませんでしたが、今年やっと手に入れることができました。使うほどに手になじんできます。

朝食、格好つけよう・・・

12月3日(木)、期末考査3日目、1年生は「家庭総合」・「数学Ⅰ」、2年生は「日本史B」・「古典A」、3年生は選択(「地理A」・「フードデザイン」)・「国語表現」です。

いつもより早く登校し勉強する姿に微笑みを禁じ得ません。

ところで今週から各クラスに「朝ご飯を食べて期末考査を受けよう!」と題するポスターが掲示されています。

本校では1日から7日を啓発週間とし、「立派な朝食でなくても、時間がなくても、バナナ1本でもいいから、朝食を食べて登校しよう!」というメッセージが掲げられています。

みなさんはいかがですか?

 

私は数十年間、朝食は食パンです。理由は欧米文化への憧れです。就職するまで自宅で出してもらうご飯(白米)を、何の疑問もなく頂いていました。

ところがひとり暮らしをはじめて自分で朝食を用意することになった時、「映画で観たtoastやってみたい」と思うようになりました。

それからです。margarineやjamをつけ、coffee・sausage・fried egg・bananaと一緒に。好きなものを朝食べられると思い、夕食を食べ過ぎることはありません。

結果的に早く床に就き、早朝目覚めるため、ゆったりとしたbreakfastを迎えることができます。

栄養バランスが十分かどうか疑問です。健康ではなくファッションが動機ですから。

だだ1つだけ言えることは朝食から一日の活力と生活リズムをもらえます。「早起きは三文の得(The early bird catches the worm.)」ですね。

対話・・・

12月2日(水)、期末考査2日目、1年生が「現代社会」・「音楽Ⅰ」・「国語総合」、2年生が「保健」・「生物基礎」、3年生が「現代文」・「選択科目(教養数学、英語表現、発達と保育)」・「世界史A」です。

1日3科目受験の子たちもいますね。焦ってはいけません。問題と対話することです。

何が言いたいのか、一生懸命耳を傾けてみて下さい。

ある日の数学の時間、次のような問題が出されました。1辺が6㎝、1つの角度が60°の直角三角形を三平方の定理を利用して、他の辺の長さを出します。

教科書にはa2+b2=c2とあります。生徒は先生からアドバイスを受けます。三角形を逆さまにすると教科書と同じ向きになるから、計算式が立てやすいよと。

そして答えを導き出すのですが、答えがあいません。理由は、三角形を逆さにしたため、6が9になってしまったのです。

逆さといえば、私は日本地図を思い起こします。

日本海側が「裏日本」とよばれることに問題意識をもつ研究者が、古代以来、こちら側の方が大陸との交流が盛んであったことを視覚的に示すために、このような手法で訴えます。

日本列島がユーラシア大陸、東アジアの最東端に位置することが分かります。

ところがここに浮かぶいくつかの島について、見方を逆さまにすると、つまりどの国から眺めるかで呼び方が変わり、時に行き違いが生じます。

対話が大切です。aやbは何を表しているのか。耳を傾けて下さい。

 

前日放課後、3年生全員が中庭に集まって、卒業アルバムに載せる集合写真を撮りました。

朝、カワセミは1羽でやって来ましたが、今は49人の仲間たちが集います。